ジウマ大統領(労働者党・PT)は2日、省庁削減に伴う新閣僚人事を発表したと2日付伯字紙とサイトが報じた。
新閣僚人事は、野党側から出されている「大統領罷免請求」を否決またはお蔵入りさせるため、また予算案黒字化と基礎的財政収支の黒字目標達成のための財政調整(増税)案を議会で承認させるために連立与党最大のパートナー、民主運動党(PMDB)に大幅に譲歩する格好となった。
大統領の所属政党である労働者党(PT)は閣僚の人数を14から9に減らし、逆にPMDBは総閣僚ポストが39から31に削減されたにも関わらず、6から7へ勢力を伸ばした。
発表前日の午後、ジウマ大統領と会ったルーラ前大統領は、PMDB陣営の閣僚の席を一つも減らさないように要請し、ジウマ大統領もこれに応えた。
ルーラ前大統領(PT)は新閣僚人事が第2期ジウマ政権にとっての仕切りなおしとなると言い、ポスト減に対するPTの理解も得られるだろうと満足気に語った。
両党の円満ぶりをアピールするため、ジウマ大統領は、ミシェル・テメル副大統領(PMDB)に、3日朝に予定されていたサンパウロ市への移動の予定を遅らせ、発表に同席する事を要請した。
新人事で目を引くのは、予算規模が省庁内で最大の年間1212億レアルに及ぶ保健相のポストだ。「政権運営のためとはいえ、保健相のポストをPMDBに渡す事は痛恨」とPT幹部議員が語るとおり、アルトゥール・シオロ前相(PT)から、マルセロ・カストロ(PMDB)下議に交代した。
人権、女性政策、人権平等の各局は市民権局に統合され、無所属のニウマ・リノ・ゴメス氏が就任、水産局はアブレウ農相が引き続き担当する農務省に統合された。
またエリゼウ・パジーリャ民間航空局長、エンリケ・エドゥアルド・アウベス観光相、エドゥアルド・ブラガ鉱山動力相などテメル副大統領(PMDB)の息のかかった閣僚も留任した。
省庁削減が9月に発表されたときの目的は、行政のスリム化を目指していることを内外に知らせ、260億レアルもの歳出削減と銀行小切手税(CPMF)の復活などを含む財政調整への批判を和らげる事だった。