少量の闇ガソリン給油で逮捕＝国境越えドライブが災難に

　９月８日、ベネズエラで違法ガソリンを買った容疑で３人のブラジル人が拘留されたが、購入したのは２５リットルのみだったと、アナ・カシア・ダ・シウヴァ・オリベイラさん、カシオ・ダ・シウヴァ・アルメイダさん、タイソン・ダ・シウヴァ・コレイアさんの家族は語った。
　３人は２日まで、シウダ・ボリーヴァル市の刑務所に、闇ガソリンを購入した容疑で囚われている。闇ガソリン購入は、同国では環境犯罪とされている。
　アナ・カシアさんの母親のマリネス・ルシアーナさんは、３人が受けている罰は、買ったガソリンの量の割りに「不当に厳しい」としている。
　ベネズエラでは、ガソリン１リットルの平均価格は０・４レアルで、国境を接するブラジルのロライマ州では３・７５～３・８レアルかかる。
　「あの子達は闇ガソリンを仕入れにベネズエラに通っていた訳ではないわ。逮捕されたときもただのドライブだった。ブラジルに戻るために必要なガソリンを買っただけなのに」とルシアーナさんは語る。また、「ベネズエラの司法当局は３人の生活習慣を少しは考慮するべきよ。彼らはブラジルで定職を持っているんだし。給油しようとした店は不法営業だったかもしれないけど、アナとカシオは子供連れだったから、ボア・ヴィスタに帰りたくて急いでいたのよ」という。
　３人の必要経費を工面するため、ルシアーナさん達は１０日にボア・ヴィスタでチャリティ・フェイジョアーダを開催する。入場料は１２レアル。同国では刑務所の中で必要なものは本人達の負担となるので、「収益金は全て３人の必要経費を賄うために使われる」とカシオさんの母のグラシレネ・ダシウヴァさんは語る。
　ロライマ州通信局は「同州政府は国際特別局を通じ、シウダ・ボリーヴァルで拘留されている３人とベネズエラ当局との会話を仲介している」との文書を発表した。
　同件を担当する弁護士を通して得た情報によると、３人の釈放に向けた手続きは既に開始されており、ベネズエラ政府は来週にも判断を下すと予想されている。
　アナ・カシアさんとカシオさん、タイソンさんの３人は、ブラジルと国を接するベネズエラの町サンタエレナ・デ・ウアイレンで９月８日に逮捕された。アナ・カシアさんとカシオさん夫婦は逮捕時に生後４カ月の赤ん坊を連れていたが、赤ん坊はロライマ州の家族に引き渡された。（２日付Ｇ１サイトより）