リマで開催中の国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年会で6日、ブラジルの国内総生産(GDP)は15年に3%縮小し、16年も1%のマイナス成長との見通しが発表されたと6日付G1サイトなどが報じた。
ブラジルの成長見通しが下方修正される事は事前から予想されていたが、IMFの予想はブラジルの金融市場が出した2・85%縮小という見通しより厳しい。IMFは1月、15年と16年は0・3%と1・5%の成長との見通しを発表したが、4月には15年は1%縮小するが16年は1%成長と下方修正。7月には15年は1・7%縮小するが16年は0・7%の成長と見直したが、今回は2年とも縮小と、立て続けの下方修正となった。
ブラジルの経済縮小は、ペトロブラスや大手建設会社などが絡んだ大型汚職などに起因する政治的、経済的な混乱や、世界的なドル高、公的負債の増加、負債を抱える企業の増加、消費者や企業の信頼感指数の低下継続、急激な投資削減などから判断された。現在のブラジルは世界的に見ても不安定な市場の一つで、マクロ経済を締め付ける必要で国内需要は更に低下すると見られている。
IMF発表の15、16年の見通しは、世界全体が3・1%と3・6%の成長となっているのを始め、先進国は軒並み成長との見込みだが、新興国は、印度が7・3%と7・5%で勢いを保っているものの、中国が6・8%と6・3%の予想で減速化を指摘され、ロシアは3・8%の縮小後に0・6%成長など、全体に低調だ。ラ米の成長は15年が0・3%縮小、16年が0・8%の成長と予想されている。
信用格付会社のムーディーズも6日、ブラジル内の財政悪化や政治的な混乱、ラヴァ・ジャットの影響などで、ブラジル経済は更に悪化すると予想。15年、16年のGDPは各々3%と1%の縮小との見通しを発表した。