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アフガン病院爆撃を悲しむ=ブラジル人の同院元院長が語る

 3日に米軍によって爆撃され、22人の死者が出たアフガニスタンの病院で、2年前院長だった「国境なき医師団」のブラジル人医師が苦しい胸のうちを語った。9日付G1サイトが報じている。
 同国駐留米軍のキャンベル司令官は6日、米軍が同国北部のクンドゥズ地区で、過激派集団タリバンから襲撃された治安部隊からの要請で空爆を行った際、「国境なき医師団」の経営する病院を誤撃したと謝罪した。この空爆で、最低12人の職員と10人の患者が亡くなり、数人が行方不明のままだ。
 13年に9カ月間、同院の院長をつとめたブラジル人医師アレッシャンドレ・フォンセカ・サントス氏は、ブラジリアで元同僚の南アフリカ共和国の医師からの電話を受け、空爆の事実を知った。
 同氏によると、亡くなった医師や薬剤師、警備員は皆知り合いで、その中のひとりは結婚したばかりだったという。クンドゥズでの勤務終了後もインターネットや電話で連絡を取り合っていたサントス氏は「無力感にさいなまれ、ひどく悲しくなった」という。生存者に確認の電話を入れて聞いたところによると、爆撃は米軍に通報後も約30分続き、集中治療室に駆けつけたが、空爆が続いたため地下の施設に退避した医師によると、集中治療室にいた医師と患者は焼死したという。
 サントス氏によると、同病院は「設備も揃っていて人種差別することもない。あらゆる患者を受けいれることで尊敬を受けていた」という。