フェルナンド・ハダジサンパウロ市長(労働者党・PT)は8日、インターネットで配車され、従来のタクシーよりサービスレベルと料金の高いタクシー、通称「黒タク」を5千台増台する事を決定したと9日付伯字各紙が報じた。
9日付官報にも掲載された「黒タク」には、タクシー業界から反発を受け、サンパウロ市議会が禁止条例を可決した、利用者と未認可の個人タクシーを結び付ける「Uber」は含まれていない。
市長は発表の中で、Uberドライバーが「黒タク」に加入する事は歓迎するとし「今までの海賊営業のままでは認められない、最高裁までいっても同じ」と述べた。
市長の決定は、Uberの成長と、規制を求めるタクシー業界からの圧力の末、生まれた。
タクシー運転手組合会長のナタリシオ・ベゼーラ氏は、市長の決定を賞賛し「市長は我々との約束を果たした。5千人の新規ドライバーの雇用も創出されるし、白タクとの競合もない」と語る。
「黒タク」には料金メーターは設置されず、アプリケーションによってのみ作動する。これにより、サンパウロ市内のタクシーは15%増台となる。
「黒タク」は、黒塗り革張りの車、空調、カーナビ付という、Uberが利用者に受け入れられている要因にサンパウロ市側が着想を得たものだ。
「黒タク」運転手の公募は2カ月以内に行われる。「黒タク」のアプリケーション受注を望む業者の応募も求められているが、Uberは「我々は『タクシー』の枠組みに収まらないし、参加する意思も無い」と文書で発表した。
「黒タク」は25%を上限に従来のタクシーより高い料金を徴収できるが、運転手は個人裁量で割引できる。「白タク」が走れるバスレーンを走る事は出来ない。
サンパウロ市の公式発表前、タクシー運転手達は市役所前の御茶の水橋に車で集結して示威行動を行い、取材しようとしたTVグローボのレポーターとカメラマンが暴行された。