連邦会計検査院(TCU)が14年度の連邦政府の会計を違反と見なしたのを受け、議会の反ジウマ大統領派は週明けの13日にも大統領罷免に向けた動きを加速化する意向だが、その過程にも様々な課題がある。9日付伯字紙が報じている。
野党側が財政責任法違反を理由にジウマ大統領を罷免に追い込むには、TCUが9日に議会に送付した意見書を議会で審議し、「違反」という結論に至る必要がある。野党側は、TCUが全会一致で違反と判断したことを楯に、この結論が出る前に罷免の動きを加速させようとしている。
エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)の見解では、両院合同の予算委員会がTCUの意見書を受け入れるか否かの結論を出すには最低62日かかるため、年内には間に合わない。本会議にかけるのは2月の半ば以降になる可能性もある。
同議長はこれまでに五つ、大統領罷免の嘆願書をお蔵入りにしたが、労働者党創始者でもあるエリオ・ビクード氏とミゲル・レアレ・ジュニオル元法相が提出した嘆願書の扱いについては13日に発表する意向だ。
反ジウマ派はこの発表を待って罷免への動きを加速させる意向だ。クーニャ議長がお蔵入りさせると決めた場合は、野党リーダーたちは本会議で告訴を行う。この方法は、自分だけで罷免嘆願を扱うことへの圧力を嫌うクーニャ氏と野党との間で既に確認済みだ。ただ、訴訟を有効なものにするには、下院で3分の2を超える票を獲得しなければならない。
野党側がこの時期に罷免への動きを加速したいもうひとつの理由はクーニャ議長の存在だ。同議長はラヴァ・ジャット作戦で収賄疑惑を持たれて検察から起訴された上、昨日付本紙でも報じたように、議会調査委員会(CPI)で存在を否定したスイスでの秘密口座も見つかり、下院議員30人から辞任要求を受けている。8日には、クーニャ氏がスイスで口座を開設する際にパスポートのコピーを使用したことや、ラヴァ・ジャット作戦開始後1カ月でふたつの口座を閉じたことまで明らかにされている。
議長自身の職務継続が微妙な状況にあるが、罷免を求める野党側議員たちには、自身のラヴァ・ジャット作戦の捜査への不信感で連邦政府と絶縁宣言まで行ったクーニャ氏はまだまだ必要な存在だ。9日付フォーリャ紙は、民主社会党(PSDB)のアエシオ・ネーヴェス党首が先週、「全てが明らかになるまでは在任し続けて欲しい」とクーニャ氏に伝えたと報じている。
一方、ジウマ大統領はTCUでの敗北後、8日に閣僚会議を行い、罷免を求める動きを、12年に当時のフェルナンド・ルゴ大統領を電撃罷免した同国の議会にたとえ、「パラグアイでのクーデターのようだ」とした。
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