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リオ五輪、パラリンピックのマスコットをプレゼントするジウマ大統領(左)とサントス大統領(ボゴタにて、Roberto Stuckert Filho/PR)
リオ五輪、パラリンピックのマスコットをプレゼントするジウマ大統領(左)とサントス大統領(ボゴタにて、Roberto Stuckert Filho/PR)

来年から車の関税廃止へ=コロンビアとの合意成立

 コロンビアを公式訪問中だったジウマ大統領は9日、同国のサントス大統領と、16年1月から8年間、車の関税を廃止する事で合意したと10日付伯字紙が報じた。
 関税廃止となるのは乗用車、バン、3・5トン以下の貨物車で、より大型のトラックについては16年1月から再交渉を行う。関税をかけずに取引できる台数は、16年1万2千台、17年2万台、18年以降は5万台となっている。
 この合意は、03年に南米南部共同市場(メルコスル)4カ国とコロンビア、エクアドル、ベネズエラが調印した経済保管協定59号に基づくものだ。同協定により、同地域では05年以降、多くの品が無関税で取引されるようになったが、自動車部門での合意はまだ成立していなかった。
 05~14年の両国間の交易額は15億ドルから40億ドルにと165%成長しており、ジウマ大統領は「この合意は両国国民と経済にとって有益」と評価している。
 コロンビアは南米3位の経済力を誇るが、ブラジルとの交易額は南米7位に過ぎない。同国は米国やメキシコ、韓国、欧州連合(EU)諸国との間で自動車の輸出入に関する協定を結んでおり、現在は16%の関税がかかるブラジル産の自動車は競争力が低くなっていた。
 ジウマ大統領は、今回の合意成立でブラジル産の車も同国でのプレゼンスを拡大できると見ており、販売不振や過剰在庫などにより雇用削減や操業短縮といった事態が発生している国内の自動車メーカーにとって起爆剤となる事を期待している。
 なお、関税廃止のためには、域内で生産された部品を一定の比率以上使用する事が求められる。
 今回のコロンビア訪問では、両国間の投資を容易にするための合意や、国境付近の先住民問題に関する覚書、環境や水運に関するパートナーシップなども議題となった。