12日の早朝、アマゾナス州マナウス市西部のコンペンサ区で、身長約160センチ、体重約80キロの男がガラス屋に盗みに入ろうとしたが、エアコンを備え付けるための枠に身体が挟まって動けなくなる事件が発生した。
枠に挟まって動けなくなった男は明らかに酔っており、パンツ一枚で、足をばたつかせながら助けを求めた。近隣住民は逃亡を防ぐため、全身埃だらけになっていた男の片足を格子に縛り付けてから、警察を呼んだ。
店主のアドニヤス・オリヴェイラ・デ・リマさん(32)が、店へ泥棒が入ろうとしたと知らせる電話を受けたのは午前4時だった。数分で現場に到着したオリヴェイラさんは、壁の穴から店内に頭だけ突き出し、窓枠の外につけたエアコン用の枠に上半身を横たえるようにして動けなくなった泥棒を見て、信じがたい光景に驚くと共に吹き出した。
「泥棒はいすを置いてその上に立ち、エアコンを押して店の中に落とした後、設置枠を通って店の中に入ろうとしたんだけど、途中で身体ごと挟まってにっちもさっちも行かなくなってしまったんだね。他に手段が無くなって助けを呼び叫んだのさ」と店主は語る。
挟まった容疑者を救出するのには男5人の力が必要だった。エアコン設置枠の一部はハンマーで壊す必要もあった。
店の中の壁は容疑者が侵入のためにあがいた時についた手の跡で汚れていた。容疑者は2時間後に救出されたが、店側は壊されたエアコンの購入や、盗難防止のために設置枠に格子を取り付けたり、汚れた壁を塗りなおしたりする費用などで、損害額は1200レアルと見積もっている。
現場に駆けつけた軍警は、犯人が地元住民からリンチにあわないよう、保護する役に回った。犯人は警察に連行されたが、店主が「逮捕しても何にもならない」し「もうすぐ店を開ける時間になる」として被害届を出さなかったため、すぐ釈放された。
「犯人は酔っていて、平謝りするもんだから、『二度と盗みなんかするな、うちの店にも二度と姿を現すな』と言って放してやった」と言う店主は、「住民は犯人をリンチにかけようとしたが、それは忍びないと思ったし、体中汚れていたからホースの水で身体を洗わせてやった」と語り、容疑者に恨みは持っていないことも明らかにした。(13日付G1サイトより)