15日、英国ロンドンと米国NYに本拠を置く世界3大格付け会社の「フィッチ・レーティング」(F社)が、ブラジルの信用格付けをBBBからBBBマイナスに引き下げた。これは投資不適格級(ジャンク)転落一歩手前の評価で、今後の見通しが「ネガティブ基調」に保たれた事は今後も降格の可能性が高い事を示していると同日付伯字紙サイトが報じた。
9月9日に起きたスタンダード&プアーズ社(S社)による投資不適格級への格下げの約1カ月後の格付引き下げは、ブラジル政府の債務増大と、財政再建が危機に瀕している事実、経済の成長が止まったことを反映したものだという。
「議会運営が困難な事で必要な法整備が遅れ、経済にも広範囲で影響を及ぼしている」とF社は声明を発表した。さらに「長引く不況の中で政府の財政も悪化している。ブラジルはすぐにでも投資不適格級に落ちる可能性がある」と続けた。「ネガティブ基調」については、政治的に不安定なためにブラジルの信頼度が落ち、投資や成長にも悪影響を与えている事を反映させた評価だとした。
F社はまた、政府の財政赤字はますます悪化し、15年末にはGDPの9%に達すると見ている。15年のブラジルの経済成長率はマイナス3%、16年はマイナス1%、17年になってようやく緩やかな回復傾向に戻ると予想している。