今年の基礎的財政収支の黒字目標を国内総生産(GDP)の0・15%に引き下げてから3カ月も経たない15日、連邦政府の経済スタッフが今年の基礎的収支は赤字不可避として、黒字目標や歳出額算定基準の見直しを検討し始めたと16日付伯字紙が報じた。
ジョアキン・レヴィ財相、ネルソン・バルボーザ企画相、ジャッケス・ヴァギネル官房長官の3人による初会合は、景気後退に伴う税収不足と財政調整の遅れ、連邦会計検査院(TCU)による粉飾会計の指摘、3大信用格付会社中、最後まで無言だったフィッチの格付引き下げという厳しい状況下で持たれた。連邦政府の基礎的収支の黒字目標はGDPの0・1%(58億レ)だが、現時点で既に206億レの赤字が見込まれている。
これに輪をかける可能性があるのは、TCUが粉飾会計と見なした、社会福祉関連経費などの公的銀行への未払い金の清算だ。連邦政府は分割清算を願っているが、TCUが14年度の収支報告を全会一致で違憲と判断した事などを考えると、一括清算を命じる可能性も高い。この場合、赤字額は400億レ増えて、600億レ超となる。
このために検討されているのは、インフラ整備などの事業を含む経済活性化計画(PAC)関連投資を通常会計から外す案だ。連邦政府は基礎的収支の黒字目標を引き下げた時点で、税金滞納者からの徴税や国外資産の合法化、空港などの管理運営権譲渡などで264億レの臨時収入を計上、これらの収入がゼロだった場合は177億レの赤字を見込んでいた。
臨時収入額にPAC経費を含む場合や黒字目標を変更する場合は議会の承認が必要で、レヴィ財相は同日午後、上下両院の一部議員との会合で、来週中に今年の予算方針変更の書類を送付する意向を伝えたという。
なお、TCUは今年の粉飾会計は8月時点で14年の年間総額を超えたとし、今年度の会計に関する審理も始めている。