中銀が国内の銀行100行以上を対象に行った調査結果が19日に発表され、今年の国内総生産(GDP)の成長率は昨年比マイナス3%に下方修正されたと同日付G1サイトなどが報じた。
国内市場の成長予想は7月31日のマイナス1・8%以降、悪化の一途で、1990年のマイナス4・35%以来の低い数字となっている。
また、2016年の成長率もマイナス1・2%がマイナス1・22%に下方修正された。年頭に予想された来年の成長率はプラス1・8%だったから、15年の予想以上に悪化している。
地理統計院(IBGE)は8月末、第2四半期のGDPは前期比0・7%のマイナスだった第1四半期より1・9%縮小し、景気後退(リセッション)に陥ったと発表したが、2年連続のGDP縮小となれば、1948年に統計を取り始めて以来の出来事となる。
今年のインフレ予想も9・70%が9・75%にと5回連続で上方修正された。この数字は2002年の12・53%に次ぐ高率で、ドル高や、電話、電気、水、燃料費といった政府統制価格、ならびにサービス料金上昇などが、インフレ圧力となっている。来年のインフレも、6・05%が6・12%に上方修正され、4・5%という政府目標中央値達成は2017年以降となりそうだ。
インフレ抑制の切り札とされる経済基本金利(Selic)は、経済成長を妨げる可能性も強い事や、購買力低下などでインフレが収束する方向に動くとの見方などから、年内は14・25%に据え置きと見られている。来年は徐々に引き下げられる見込みだが、それでも、年末の予想は12・63%から12・75%に上方修正された。
ドル高は中銀の介入などもあり、現状維持のまま年末まで行く見込みだが、現状維持は中銀の負担(損失)が大き過ぎるとの声もあり、采配が注目されている。