エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)がスイスの銀行に保有していたことが発覚した四つの秘密口座に関し、スイス当局から連邦検察庁に送付された、口座開設時に使った同議長や夫人のパスポートのコピーや6080万レアルの未申告の資産があることなどを示す資料が16日に国内のメディアに流れた。17、18日付伯字紙が報じている。
スイスにある秘密口座が発覚したことは、今年3月に下院ペトロブラスの議会調査委員会(CPI)に出向き、「秘密口座なぞ存在しない」と断言したクーニャ議長には痛手だったが、追い討ちをかけるように、それを裏づけ、さらなる疑惑を深める証拠が次々と明るみになった。
秘密口座に関しては、自身が口座を開設したときのパスポートや、自身の誕生日や住所が記載され、自らが署名した書類のコピーが送付されている。これらは16日から17日にブラジル紙やニュースサイトに出回り、大きな反響を呼んだ。
クーニャ議長は1990年代から米国やスイスに銀行口座を持っており、2007年にスイスで新しい口座を開設した際、ジュリウス・バエル銀行が評価した同議長の資産額は1600万米ドル(6080万レアル相当)で、同議長が2014年に高等選挙裁判所に申請した資産160万レアルの38倍にあたる。それでも、同議長の資産は2002年の52万5768レアルの214%増となっている。
さらに、夫人やクーニャ家の企業の「C3パルティシパソンエス」と「ジーザス・ポントコム」の名義で、合計94万500レアルに及ぶ高級車8台を所有していることも判明した。
検察庁のロドリゴ・ジャノー長官はこれらの資料を添え、15日に最高裁にクーニャ議長への捜査開始を求める請願書を提出し、同日夜認められた。同議長は8月にすでに500万ドルの収賄を受けた容疑で告発されている。口座に名前が見られた妻のクラウジア氏や娘のダニエレ氏も、捜査対象となっている。
クーニャ氏は今回の資料発覚は「ジャノー長官の陰謀だ」と語り、なおも無実を主張している。だが、これで社会主義自由党(PSOL)や持続ネットワーク(RS)が倫理委員会に提出した、同議長の議員罷免への動きも加速しかねない状況となった。18日付エスタード紙によると、下院の倫理委員会は本来ならPMDBなど、連立与党派が多い委員会だが、17日の時点では21人の委員中、半分以上の支持を失っているという。
ジウマ大統領は昨年からことあるごとに同議長が率いる「議会内の対抗勢力」に悩まされてきたが、18日付フォーリャ紙によると、スイスでの会議出席のための旅に同伴中の大統領側近は「クーニャ氏が議長の座を失うのは時間の問題」と見ているという。