フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ元大統領(民主社会党・PSDB)は29日に刊行する大統領時代の回想録『ジアリオ・ダ・プレジデンシア』に、現在にも通ずる問題が既に存在し、話題となっている。21日付伯字紙が報じている。
同回想録は在任中の8年を自身の日記に基づき4巻組で描いたもので、29日発売の第1巻(1995~96年)ではペトロブラス(PB)の汚職問題に触れている。
それによると、96年10月16日にカルドーゾ氏は当時のベンジャミン・スタインブルック経営審議会議長から「社内にスキャンダルがある」と告げられた。同議長が最も懸念したのは、同社の理事全員が経営審議会の委員だったことだ。カルドーゾ氏はこの際、PBへの介入も考えたという。ラヴァ・ジャットで問題となったPB内の汚職が役員の個人レベルで始まったのはそれからまもなくのことだ。
また、96年7月25日には「民主運動党(PMDB)の存在なしには、誰が自分の政権を継ごうが、国を治めることは出来ない」と書いている。これも、議会内の多数派勢力である同党に、現在の労働者党(PT)政権が振り回されていることを暗示している。
その他には、当時のパウロ・マルフサンパウロ市市長がPSDBの下院議員を金で買収しようとした話や、現下院議長のエドゥアルド・クーニャ氏を信用できず、PBの役員人事の際に拒否したことなどが書かれている。
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