今年度の連邦政府の基礎的財政赤字は500億レアルを超えて、700億レアルに達する可能性があると21日付伯字紙が報じた。
連邦会計検査院(TCU)が2014年に政府が不正な会計操作を行ったと指摘した額の返済規模と、道路、空港などの建設・運営権の譲渡により政府が得られる臨時収入の額が不透明であることから、正確な数値は算出されていない。
エスタード紙によると、今年1月から9月までの税収額は当初の予想を500億レアル下回る見込みで、政府関係者は落胆の色を隠せないでいる。8月の税収は昨年同月比で実質(インフレ調整済み)で9・32%のマイナス、9月も同3%と見られており、4月以降、6カ月続けて昨年同月比で税収減となる。
ジョアキン・レヴィ財相とネルソン・バルボーザ企画相は、中央政府の基礎的財政赤字が700億レアルに達する可能性を否定していない。最悪のシナリオは、TCUが不正会計と断じられた分を年内に一括清算するよう命じた場合だ。
北欧諸国訪問中だったジウマ大統領は、帰伯後すぐに、レヴィ財相、バルボーザ企画省、ジャッケス・ヴァギネル官房長官を招集し、基礎的収支の黒字目標の見直しを試みる。バルボーザ企画相は21日、ジウマ大統領との会合より前に「歳入は当初の見通しを大きく下回っている」とし、目標見直しが避けられない事と、新しい目標値は23日までに出す意向である事を明らかにした。
ジウマ大統領は、会計修正を今年度で全て行うか、一部を来年に持ち越すかで悩んでおり、政府内部でも意見の対立がある。レヴィ財相は複数回に分けて清算することを望んでいるが、バルボーザ企画相は、今年で全て解消し、来年度会計は余分な負債が無い形で進めるべきだと主張している。最終決定は未だ下されておらず、ジウマ大統領に決定権がある。
16年の基礎的収支黒字目標については、CPMF(銀行小切手税)の復活を頼みに、9月に発表した国内総生産(GDP)の0・7%で据え置くと見られている。