ホーム | コラム | 樹海 | 老いも若きもEnemに挑戦

老いも若きもEnemに挑戦

 明24日と25日は、全国高等教育試験(Enem)が行われる。この試験は一部の公立大学の入試や私立大学の奨学金受給者選抜材料としても使われるため、受験者達も追い込みに必死だ▼そんな受験者のため、ピアウイ州教育局が、21日夜8時から22日朝6時まで、テレジーナにあるショー会場で〃最後の復習〃の機会を設けた。公立校の生徒を中心に開催された復習会は、300キロ離れたマラニョン州の州立高生徒がバスで乗り付ける程の大盛況で、本番前最後のチャンスにかける人々の意気込みが伝わってくる▼この大復習会に来たのは高校生や予備校生だけではない。55歳の公務員アウダ・デ・ソウザ・コスタさんは1980年代に高校を卒業したが、やっと大学を目指す気になって受験する。彼女の夢は生物学か経営学を学ぶ事だが、昨年Enemを受けたが公立校に入れなかった息子より良い成績をとる事も目標の一つだ▼TVなどでは、68歳で受験する男性の事も報じていたが、何かを学ぶ事に年齢制限はない。今年のEnemは何歳の受験者が最高齢か知らないが、90歳を超えて大学に入り、孫より若い学生と席を並べて学ぶ婦人など、あくなき夢を追いかける人の話は後を絶たない▼24日は4時間半、25日は5時間半の長丁場で、知力と共に体力と気力も試される。目の前で門を閉められて泣く受験者も続出する試験だが、770万人の受験者の内、少なくとも2度目の受験者は520万人で、初回受験者を初めて上回った。初回受験者が昨年より47%減ったのは少子化だけが原因ではないはずだが、更なる学びという夢を追う人々に心からエールを送りたい。(み)