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下院CCJ=妊娠中絶法案承認で物議=強姦被害の認定が困難に

 下院の憲政委員会(CCJ)が21日に承認した妊娠中絶の法案が、強姦被害に遭った女性たちの避妊を困難にするとして問題となっている。22日付エスタード紙が報じている。
 ブラジルの場合、中絶が合法的に認められているのは「妊娠を続けることで母親の生命に危険が及ぶ場合」「胎児が無能症の場合」、そして「妊娠が強姦によって引きこされた場合」の三つだ。
 今回の法案では、強姦被害者は、警察に赴き、性的暴力を受けたことを明らかにすると共に、加害者を特定するための情報や証拠の収集に協力することが求められる。
 さらにこの法案では、中絶用の薬や道具、方法についての宣伝や売買、受け渡しは6カ月~2年の実刑となり、さらにそれを行ったのが公共医療サービスの関係者だった場合は1~3年の実刑とすると明記がある。
 この場合、最も懸念されるのは、医療関係者が処罰されるのを恐れ、強姦に遭った女性に避妊薬を処方することにも消極的になり、妊娠が防ぎにくくなることだ。
 女性の権利の擁護団体は、避妊薬の服用までが中絶行為と見なされかねない議案の部分を問題視し、抗議を行っている。
 同議案の提案者は福音派として知られるエドゥアルド・クーニャ下院議長で、報告官はエヴァンドロ・グッシ下議(緑の党・PV)が務めた。