ブラジル中央銀行(BC)の通貨政策委員会(Copom)は21日、経済基本金利(Selic)を年14・25%に据え置く事を発表したと22日付伯字各紙が報じた。
BCがCopom後に発表した文書によると、BCは16年のインフレ率を目標数値の4・5%に収める事を事実上断念した。
BC発表の文書は、具体的な期日は定めず、インフレ率が目標中央値の4・5%に収束するのに充分な期間、Selicの値を据え置くとした。もはや「2016年末までの目標インフレ率」という表現は使われなくなっており、BCにとっての「重要な水平線」という言葉は2年後の17年を意味している。
さらにCopomは、「通貨政策は(17年末までに)インフレ率4・5%達成のために状況を注視していく」とを強調した。
「財政危機や脆弱な経済状態のせいで、16年のインフレ率を4・5%に持っていくことは益々困難になっている」と言うのは教育調査研究所(Insper)のジュアン・ジェンセン教授で、「『16年』の言葉を文書に記さなかった事実は、同年のインフレ率を目標値にする事を諦めたわけではないにせよ、実際問題、相当困難だという事を意味している」と締めくくった。
経済コンサルタント会社「テンデンシア」のアレッサンドラ・リベイロ氏は、BCの決断は市場の期待に沿うものとし、「最近、16年の広範囲消費者物価指数(IPCA)の見通しを5・4%から、目標上限値の6・5%に引き上げたが、電気代の上昇でこの数値を上回る危険性がある」と語った。
今回のCopomは、2回連続してSelicの現状維持を決めた。金融市場も変更はないと見ていた。前回現状維持を決めた9月1、2日の会議から今回までの50日の間に、国内の政治経済状況は悪化し、公共部門の収支バランスへの懸念が高まっている。
今年のインフレ率予想は限りなく10%に近づいている。主要都市の今月15日の時点の過去12カ月間の累積インフレ率は、サンパウロ市など5市で10%を超えている。