21日、野党4党リーダーらが、法学者のエーリオ・ビクード氏ら3人が新たに作成したジウマ大統領の罷免請求を提出した。ラヴァ・ジャット作戦(LJ)で追い込まれているエドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)は、罷免案の扱いに自分の政治生命をかける意向だ。22日付伯字紙が報じている。
21日提出の大統領罷免請求は、ビクード氏とミゲル・レアレ・ジュニオル元法相、弁護士のジャナイナ・パスコアル氏が作成したもので、民主社会党(PSDB)、民主党(DEM)、社会大衆党(PPS)、連帯(SD)の4党の下院リーダーたちが下院議長に手渡した。
3氏が前回提出した罷免請求は、ペトロブラス関連の汚職疑惑や、連邦会計検査院(TCU)が「財政責任法違反」と判断した連邦政府の14年度会計の粉飾疑惑について触れていた。だが、14年度の会計は、「現政権(15年~)の前の任期の話であり、現在の大統領はその責任を問われない」との反論が考えられる。
また、14年度の連邦政府会計に関する議会での審査は、連邦政府寄りのレナン・カリェイロス上院議長がジウマ大統領に45日の説明猶予期間を与えたため、両院の予算委員会での審議先延ばしの様相を帯びている。
そのため、今回の罷免請求には、15年の会計でも14年会計で否定されたやり方が続いていることや、連邦政府が15年、議会の承認なしに支出できる額を8億レアル増やす大統領令を出したことも織り込まれた。
これを受けたクーニャ議長は「敏速に対応する」と応対した。エスタード紙は、同議長がこの議案に取り掛かる姿勢を見せることで、LJによってスイスの秘密口座の存在と収賄の証拠を捕まれ、議員罷免の可能性も否定できない自身の危うい立場を死守しようとするのではと見ている。
連邦政府側は、PMDBとの間でクーニャ氏が議長の座を追われた後の体制について話すことを止めており、少なくとも年内はクーニャ氏を議長のまま継続させる意向とみなされている。
野党からの大統領罷免請求は、クーニャ議長にお蔵入りにさせるか、下院で特別委員会を作って投票にかけるかの選択権がある。後者を選んだ場合、下院の3分の2にあたる342人が賛成すれば、上院による大統領罷免審理に移る。
クーニャ議長は当初、自身がお蔵入りさせた罷免請求を下院で上告投票を行い、3分の2の賛成以上で議案として復活させる、というやり方を提唱していた。その手法は連邦最高裁が既に違法と判断しており、クーニャ氏が上告している。
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