サンパウロ州警察の起こす犯罪に全国から非難の声が上がっている中、ジェラルド・アルキミン知事(民主社会党・PSDB)が率いるサンパウロ州政府が22日、第3四半期の警察による死亡事件について、その一部だけを公開したと23日付フォーリャ紙が報じた。
情報を小出しにしていくやり方は、来年のサンパウロ市長選挙へのPSDBの有力候補ともされる、アレシャンドレ・デ・モラーエスサンパウロ州保安局(SSP)局長によって度々踏襲されてきた手法だ。
同日午前、モラーエス局長は今年の第3四半期に勤務中の軍警によって殺された人の数は昨年の159人から127人へと、20%も減ったと強調したが、1月から9月にかけての数値を前年と比較した場合、減少率は2%だった。
モラーエス局長は、勤務中の軍警によって殺された人の数が20%減ったとのデータを発表した際、「最優先事項は警察が法規を遵守し、その中で犯罪に対し断固たる対応をすることで、私は職権乱用に対して容赦しない、警察の手による死亡者数の減少にもそれは現れている」と語った。
だが、同局長はこの時、第3四半期に非番の軍警によって殺された人の数と市警によって殺された人の数を明らかにしていなかった。第2四半期はこの二つのデータは同時に公開されていた。
同件をメディアが追及したため、サンパウロ州保安局は午後9時に残りのデータを公開した。この結果、データを小出しにする事で保安局が印象操作をしている事が分かった。
今年8月のオザスコ・バルエリ両市で起こった19人が犠牲になった虐殺事件は非番の軍警が容疑者として浮上しているが、同件は特別捜査チームが扱っており、犠牲者19人は警察によって殺害された人の数に含まれていない。
今年の1月にモラーエス氏が保安局長職に就くまでは、暴力事件関係のデータは毎月25日に全て公表されていたが、今ではデータの公表はまちまちだ。先月も殺人事件のデータをサンパウロ市だけ発表して、周辺都市圏、サンパウロ州内陸部のデータは同時には出さなかった。