ペトロブラス(PB)経営審議会が23日、同社傘下のガス会社ガスペトロの株式の49%を三井物産に売却する事を承認したと24日付伯字紙が報じた。
急激なドル高レアル安で負債急増中のPBは、9月22日にガスペトロの株式売却交渉が最終段階に入っている事を明らかにしており、23日の経営審議会でこの方針を正式に承認、三井物産側も26日、ガスペトロの株式取得を正式に発表した。三井物産子会社の三井ガスを通じた株式取得額は約19億レアル(670億円)で、PBがPBロジスチカ・デ・ガスという子会社開設などの諸条件が充足された時点で、株式取得となる。
三井物産は2006年以降、ブラジル内8州での天然ガス配給事業に参画しているが、今回の株式取得で、計19州で天然ガス配給事業を独占的に展開する事になる。ブラジルのガス配給事業は州政府が供与するコンセッションに基づく地域独占型だ。
三井物産は、鉱業界ではブラジル有数の多国籍企業であるVale社にも資本参加しており、四つの州に事務所を構えている他、ロシアでの天然ガス事業やモザンビークでの石炭事業など、世界規模で事業を展開中だ。
23日の経営審議会は、BRディストリブイドーラについても、共同経営者を得るため、8月に承認した株式公開や株式売却に関する情報開示を当面中止する事を決めた。BRの株式売却は来年以降となる見込みだ。