サンパウロ市はブラジルで初めて、〃ドローン〃のフェアを開催する。10月28、29日の両日開催の〃ドローンショウ2015〃では、無人飛行機の職業利用の可能性が紹介され、操縦法やマッピング、農業用の使用法についての講習も開かれる。
このフェアには新興企業、メーカー、輸入
業者、レンタル業者など、25社の参加が見込まれており、実際の飛行の様子が見られるスペースも設けられる。主催者側は3千人の来場を見込んでいる。
フェア主催者のMundoGEOディレクターのエメルソン・グラネマン氏は、「民間航空局(ANAC)がドローンの実用化に向けた規定を設けるための公聴会を予定している中でもあり、イベントは関連企業を一つにまとめるためのいい機会だ」としている。
「法整備は業者と一般ユーザー両方に安全性をもたらすために重要だ」とグラネマン氏は言う。同氏は、法整備が来年早々に完了することを期待している。
グラネマン氏は、イベントの目的を、ドローンを産業用に使用する時の可能性と限界を明らかにすることだとし、「世界中で急成長を遂げているが、まだまだ若いこの市場に対する問題提起となるはず」と語った。
ドローンには農業、工学、防犯、環境、鉱業、マッピングなど、様々な産業や分野で利用の可能性がある。
ドローン利用が一番進んでいるのは農業界で、現在使われているドローンの70%は、農業部門で産業利用されている。ドローンの利用は、農業の現場に革命的変化をもたらした。
ドローンによって、詳細かつ正確に耕地をモニタリングでき、害虫や病気を制御するために、農薬を噴霧したりすることも可能だ。
広告市場でのドローンの利用はまだ多くないが、大きな成長の可能性があるというのは、街頭広告写真や動きのある写真が専門の写真家で、カラカ・イマージェンスのディレクターでもあるギリェルミ・バルボーザ氏だ。同氏はフェア中に講演も予定している。
ドローンの普及に伴う懸念の一つは、操縦者の能力にばらつきがあり、操縦資格の規定が定まっていない事だ。バルボーザ氏は、ドローンにまつわる事故の約90%はドローン操作時のミスに起因していると語る。
法が整備されれば成長が期待されるのは防犯部門だ。グラネマン氏は「ドローンはマンション内の監視カメラの機能を補完する役割を果たす」と述べた。
ブラジルでのドローンの専門市場はまだ整備段階で、統合的なデータも蓄積されていない。ブラジル国内では現在、約2万台のドローンが使われていると見られている。
グラネマン氏は、ブラジルでは来年度、ドローン販売やドローンを利用したサービスによって1億~2億レアルの売り上げが出ると見ており、5千人分の雇用創出が期待できるとしている。(10月28日フォーリャ紙サイトより)