米国連邦準備制度理事会(FRB)は28日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、ゼロ金利政策の継続を決定したが、同時に12月に行われる次回委員会では9年ぶりの利上げを行う可能性を強く示唆したと29日付伯紙各紙が報じた。
投資家達は既にゼロ金利継続を想定していたものの、12月の利上げ示唆は驚きを持って受け止められた。
ブラジルにこの報が入ったのは28日午後4時で、午前中から横ばいもしくは若干のドル安基調で推移していた対レアル・ドル相場はドル高に振れ、前日終値より0・66%ドル高の1ドル=3・922レアルで終了した。ブラジルの主要株式指数であるIbovespaも、ゼロ金利継続の報とともに、それまでの値上がり基調が反転し、前日比0・64%ダウンの46740ポイントでその日の取引を終えた。
投資情報を公表するブルームバーグ社によると、新興国の通貨も、ユーロなどの主要通貨も類似の相場変動を起こした。市場の緊張はFRBによる、12月利上げ示唆の発表が影響したと見られている。
FRBは「次回12月の会合で利上げをするかどうかを判断する際は、雇用の最大化と2%のインフレ目標の達成具合を分析する」という声明も発表した。
米国の利上げは、ドル高と共に新興国から米国への資金流出を引き起こす要因となると見られている。
利上げが起きた場合、金利に応じて利益の上がる米国債は国際投資家達にとって魅力的な金融商品となる。投資家達は現在、ハイリスクではあるが、より利率の高い、ブラジルを含む新興国の国債に投資している。現在米国の金利は08年の世界経済危機以来、史上最低水準の年間0~0・25%のままとなっている。FRBが最後に利上げしたのは9年前の06年の事だ。
また、年末までに米国旅行やドル建てでの支払いがある場合は、今からドルを少しずつ買い進めておいたほうが良いとも伯字紙は推奨している。
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