下院の倫理委員会が3日、エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)の議員罷免に関する審議の具体的な準備をはじめたが、同議長は周囲の人物に、スイスで発見された秘密口座はラヴァ・ジャットとは無関係だと主張しはじめているという。5日付伯字紙が報じている。
クーニャ議長は3月に行われたペトロブラスの議会調査委員会(CPI)で「秘密口座など存在しない」と発言したことが虚偽申請と解釈され、議会内で議員罷免の声が高まっている。
議長自身は「議会の席で私が無実であることを証明してみせる」と語っているが、フォーリャ紙によると、周囲には既にその説明をはじめているという。
それによるとクーニャ氏は、スイスの口座に関してCPIで申告しなかったのは、「自身の名義の口座」について尋ねられたと判断したからで、自身が国外に作った企業のものを含むとは思わなかったという。
クーニャ氏は、スイスの口座の金を自身のものであることを認めてもいるというが、そこに振り込まれている預金は80年代の、自身がまだ政治家になる前のもので、それを申告していなかったのは自身の過ちだったと語っているという。
関係者たちは、これではCPIで発言した「連邦税務所に申告した以外の口座は一切ない」の否定にはならないし、資産を偽ったことは罷免の理由となると見ている。
また、PMDBのロビイストのジョアン・エンリケス被告が、PMDBのフェルナンド・ジニス元下議(2009年没)の息子、フェリッペ氏の依頼で、2011年にクーニャ氏の口座に130万スイス・フランを送金した疑惑に関しても同氏は語っている。
クーニャ氏によると、「11年9月に振り込まれた金は出所がわからなかったので手を付けず、金融機関の判断を待っていた」といい、さらに、フェルナンド・ジニス氏は死ぬ数カ月前にクーニャ氏に100万米ドル相当の借金をしており、フェリペ氏から返済されたことは何年も経ってから知ったとしている。
クーニャ氏は4日、下院の緑の間で報道陣の取材を受けている際、市民活動家の青年に割って入られ、頭上から大量の偽100ドル札をばらまかれるという抗議行動を受けた。偽札の肖像画にはクーニャ氏の顔が刻み込まれていた。
一方、下院の政治倫理委員会は5日午前、クーニャ氏の議員罷免問題の報告官はファウスト・ピナト下議(ブラジル共和党・PRB)に決まったと発表した。ピナト氏は一年生議員でクーニャ氏との関係性がなく、中立派と見られている。