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ウエブ上で議論が炎上=授乳中の写真への批判で

 サンパウロ州カンピーナス市在住の女子学生がフェイスブックに掲載された授乳中の母親の写真に批判的なコメントを書き込んだ事で、ウエブ上で議論が炎上している。
 事の発端は、補助椅子に乗せた女児に授乳しながら自転車をこいでいる女性の写真に「高級住宅街やしゃれたレストランでおっぱいを見せている女性を見た事がある? あるはずないわよね。そんな所へ行く人達なら、私がやっていたように粉ミルクを入れた哺乳瓶を持って行くはずよ。そうでなければせめて、胸をさらけ出さないよう、布をかけて隠す位の心遣いが必要ね」「この女性は人目を引きたがっているだけよ」とのコメントが書き込まれた事だ。
 この女性は「6カ月にもなれば他の物も食べるようになるんだから、場所や時間を考えずに授乳する必要はないわ」「授乳栄養を勧めるのは、貧しい母親を乳牛代わりにして経費節約を図りたい政府が考えた政策に過ぎない。2歳まで授乳すべきなんてもってのほか」「お金のある人はこんな話にのっちゃダメ」と続け、自分は最初から粉ミルクを使っており、授乳した事はないとも書いている。
 この書き込み後は問題の写真やコメントをシェアする人が次々に起きており、世界的モデルのジゼル・ブンチェンら、有名人も含む女性達が授乳している写真をフェイスブックに掲載するなどして、女子学生への抗議の気持ちを表明している。
 生後6カ月までは子供が欲しがるままに母乳を飲ませる事や、少なくとも2歳までは授乳を続ける事を勧めているのは世界保健機構(WHO)で、連邦政府ではない。
 他方、ジウマ大統領は3日、ブラジリアで開かれた「食と栄養の安全を問う全国会議」で、粉ミルクや哺乳瓶、乳首、市販の離乳食その他、授乳を中断させるような品物の宣伝を規制する法令に署名した。この法令は母乳栄養を促すと共に、3歳までの子供に前記のような品物を使ったり売ったりする時は十分考慮するよう勧めている。
 大統領はこの会議で、「幼い時から母乳栄養や健康に留意した食生活を心がけて育てた子供は発育や発達の度合いがより高く、国の将来にも役立つ」と述べている。
 サンパウロ市では、公共の場所などで授乳する権利を認め、禁じた場合は罰金を科すという条例が既に発効済みだ。サンパウロ州議会も3日に同様の条例を承認し、州知事の裁可待ちとなっている。(4日付G1サイトなどより)