サンパウロ市でのバスのコブラドール(料金係)廃止問題で市とバス従業員の労組が激しく争い、その結論が最高裁まで持ち越されていると6日付フォーリャ紙が報じている。
料金係は料金徴収や乗客が降車し終わったかを運転手に知らせるなどの業務を行っているが、フェルナンド・ハダジサンパウロ市市長はこの職務廃止でバス運行経費を節約したいと考えている。サンパウロ市には1万8千人の料金係がおり、廃止すれば、バス運行経費の17%(年12億レアル)が節約できる。サンパウロ市のバス運行費は料金徴収分50億レアルと市からの補助金20億レアルで賄われている。
同案は14年、サービス税(ISS)や都市不動産所有税(IPTU)の負債分分割払い計画審議の際浮上し、同年最後の市議会で「料金係の同乗義務」を否決したが、バス会社が猛反対し、サンパウロ州地裁から料金係同乗を義務付ける暫定令を得た。ハダジ市長は4度上告したが全て敗訴し、10月にジウマル・メンデス最高裁判事のもとに持ち込んだ。
「乗客の9割以上がビリェッテ・ウニコ利用者だから料金係は不要だ」と市長はいうが、バス労組側は「マニフェスタソンやストも辞さない」と徹底抗戦の構えだ。