ジウマ大統領が年金受給のための新たな基準を定めた法案を裁可し、5日付官報に掲載した。これにより、85/95案は同日から発効となったが、年金を満額受給するために継続して働く後追い案は拒否権が適用されたと5日付各紙サイトや6日付伯字紙が報じた。
85/95案は、年金の積立期間+年齢が女性で85、男性で95の時点で年金を満額受給できるというものだ。この場合、36年積み立ててきた57歳の男性は満額受給資格が生じるなど、従来の女性60歳、男性65歳という規定より若い満額受給者も出てくる。
だが、満額受給のための最低限の積立期間は女性30年、男性35年という基準は継続するために、満額受給を望み、受給開始を遅らせる人も多いと見られる。政府関係者は、これにより国庫負担は15年末~18年末に147億レアル、19~22年は133億レアル軽減と予想している。
85/95という数字は、平均寿命の伸びにあわせ、19年1月からは86/96、21年1月からは87/97のように2年毎に変わるが、27年1月以降は90/100で固定される。
現在の年金受給開始年齢は、女性が平均で52歳、男性は同54歳とされているが、27年以降はこの数字が、女性56歳、男性60歳になると見られている。
一方、議会が加えた、積立期間が不足して満額受給できない人が受給開始後も働き、不足していた年数分の積立を行えば満額受給を認めるとの部分は、拒否権行使の対象となった。
年金受給開始後も働いている人は約30万人おり、今回の拒否権行使により、来年10月までの1年間で76億レアル、今後の20年間では1819億レアルが節約できると見込まれている。
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