サンパウロ市西部ピニェイロス区フェルナン・ジアス・パエス校(F校)で10日、ジェラルド・アルキミンサンパウロ州知事が進める州立校再編に反対する生徒生達による立てこもり事件が発生したと11日付伯字各紙が報じた。
同校を包囲した警察は生徒達を立ち退かせようとして水の供給を断ち、同校での授業は中止された。サンパウロ州教育局は生徒達の行為を独善的なものだと非難した。隣接のジアデマ市の学校でも、15人の生徒が9日夜から抗議行動に入ったが、10日の授業は続けられた。
サンパウロ州主導の州立校再編への抗議活動はこれまでにもあったが、学校を占拠するという形で噴出したのは今回が初めてだ。F校では100人の生徒が午前6時に校舎を占拠し、教職員の入校を阻止した。F校は再編成で高校課程のみとなり、6年生から9年生の生徒は別の学校に移される。
警察は午前早いうちから学校を包囲し、占拠に加わろうとする生徒の入校を阻止したため、400人ほどは校舎の周りで抗議行動を行った。
午後5時頃、17歳と18歳の女生徒が校舎から退去する際、混乱が起きた。警察が2人を連行し、公共施設無断侵入で立件しようとしたのに気づき、校舎の外で抗議の声を挙げていた生徒達がそれを阻止しようとしたためで、警察はその生徒達を押しのけ、妨害すると逮捕すると脅した。この混乱後は、サンパウロ州人権保護委員会のアリエル・デ・カストロ・アウヴェス弁護士と警察側オンブスマンのヴァルテル・フォステス氏が今回の動向に同伴する事になった。アウヴェス弁護士らは「穏便に収束するように手を尽くす」所存だ。
生徒の母、マルシア・バラデスさん(54)は抗議に賛同の意を示しながらも「娘が警察に乱暴な事をされないか心配」と不安気に語った。軍警は学校を占拠した生徒全員を警察署に連行するためにバスを用意した。バス到着時も警察と生徒の間で混乱が起きた。
同地区を統括するサンパウロ市5番エリア警備隊のテイシェイラ・ミランダ大佐は、校舎に突入する可能性を否定しなかったが、学生の良識を信じると語った。
11日にはF校前で、校舎から出た生徒の個人情報を聞き、録画もしようとした警官に抗議した教員組合の職員が公務執行妨害で連行されたりしたが、2校での校舎占拠は11日も続いている。
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