エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)のスイスの秘密口座に130万スイス・フランを振り込むように指示したと言われていたフェリペ・ジニス氏が10月に連邦検察庁で、ジョアン・エンリケス被告が検察庁で行った報奨付証言やクーニャ氏の弁解を否定する内容の証言を行っていたことが明らかになった。これでクーニャ氏の立場はさらに苦しいものとなった。11日付伯字紙が報じている。
PMDBのロビイストだったエンリケス被告は9月26日に、2011年にペトロブラスのアフリカのベナンでの事業に関し、PMDB元下議のフェルナンド・ジニス氏(09年没)の息子のフェリペ氏の指示で、振込み相手が誰かを知らぬままにクーニャ氏の口座に130万スイス・フランを振り込んだとの報奨付証言を行った。この振込みの証拠は、既に検察庁が確認済みだ。
だが、フェリペ氏は10月20日に検察当局に対し、「自分は事業のことは知らないし、振込みを指示した事実はない」と語ったという。
また、フェリペ氏はクーニャ氏の証言の矛盾も指摘している。クーニャ氏は同氏の父のフェルナンド氏に関し、「親しい間柄で、死の数カ月前に借金を求めて来た」と発言していた。だがフェリペ氏は「クーニャ氏と父が関係を持っていたことは事実だが、父がクーニャ氏から借金をしていたなどという話は聞いたことがない」と語ったという。
この内容は、クーニャ氏が行っていた弁解を覆すものとなった。クーニャ氏は、2011年に自身の会社「オリオン」名義の口座に5回にわたり計130万スイス・フランが振り込まれたことを2012年に銀行から知らされたが、それは振込の意図がわからず手をつけておらず、同被告の証言を聞いて、「フェルナンド氏の借金返済だったのだろう」と推測したと答えていた。
クーニャ氏はこれらの発言で、自身の議員罷免を審議する倫理委員会への釈明が可能と考えていた。だが、フェリペ氏の弁護士のクレベール・ロペス氏は、「フェリペ氏は政治活動は一切行っておらず、父の仕事に干渉もしていない。クーニャ氏の証言では誰も説得できない」と語っている。
10日、野党最大勢力の民主社会党(PSDB)は、クーニャ氏の弁解は説得力に欠けるとして、同氏の議員罷免を求めることを決めた。PSDBはこれまで、クーニャ氏を「ジウマ大統領を罷免させるのに必要な勢力」と解釈し、同氏への疑惑があがっても静観の構えを見せていたが、「スイスの口座は私の会社のものであって、私のものではない」との弁解をクーニャ氏自身が行ったあたりから雲行きが危うくなっていた。
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