ブラジル北部にあるロライマ州で9日、町の中に、イノシシに似た〃森の豚〃が大量に侵入し、住民が大慌てするという事件が起きた。
〃森の豚〃ことクビワペッカリーは南北アメリカ大陸に生息する草食性の哺乳類で、ジャヴェリナとかジャヴァリとも呼ばれる。
森の豚が大量に現れたのはロライマ州南部のカラカライ市で、国道174号線に近いサンジョゼ・オペラリオ地区では数十匹に及ぶ森の豚が道路や家、庭先に入り込んで、住民を驚かせた。
通報を受けた軍警が同地区に駆けつけたが、その時には既に住民に殺された森の豚もおり、フェイスブックにその映像も流れた。軍警は残りの森の豚を救出し、彼らの生息地である森林地帯に戻したが、森の豚が生息地を離れて、町の中に現れた理由はまだわかっていない。住民達は森の豚の一部はまだ町の中に残っていると見ている。
同市では2000年にも、森林火災で生息地を追われた森の豚が町の中に侵入した事がある。
野生の動物を殺すのは犯罪に当たるが、森の豚を殺した人物は特定できていないという。
今回の侵入事件に先立つ3日には、同市周辺で天然のカメの違法売買を監視していた国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)職員が、170匹ほどの森の豚が同州の主要河川であるブランコ川を泳いで渡っているのに気づき、その様子をビデオに収めている。
同院職員らによれば、森の豚が渡っていたのは幅1キロ近い場所で、もっと幅の狭い所を渡るのは見た事があったが、これほど広い場所を渡るのを見るのは初めてで、その理由を図りかねていたと証言している。(7、10日付G1サイトより)