【既報関連】ミナス州マリアナ市で5日に起きたサマルコ社鉱山の堤防決壊は、鉱山活動監査用の予算支出が抑制されている中で起きた、予期された事故と12日付エスタード紙が報じた。
鉱山の安全管理のあり方を監査する予算は鉱山動力省鉱産局が管理しているが、1~10月の支出額は今年度予算の13・2%の131万7千レアルで、昨年同期の360万レの半分以下だ。
同様の事は国家統合省の危機・災害防止活動用の予算でも起き、鉱業関連で起き得る洪水や浸水予防のための防災局の活動や危険地域調査などの支出額は620万レの予算の14・9%だ。
非政府団体(NGO)のコンタス・アベルタスは、今回の事故は、政府予算の90・5%が社会福祉、教育、保健に当てられ、防災関連費が抑制されて引き起こされた、予期された災害と評価。「予防対策費の支出を抑えれば、災害発生後に多大な支出を強いられる」と改めて警告した。
マリアナ市で救助活動中の消防隊は11日、唯一残っているジェルマノ堤防も決壊の恐れがあるとし、5日に泥流が襲った地域に残っている住民退避の必要の有無を検討し始めた。同日夜までに身元が判明した死者は6人で、身元不明の遺体は2体、行方不明者は19人となっている。
サマルコの共同出資者のヴァーレとBHPビリントン(豪州企業)は今回の事故で、今後5年間にサマルコが抱える負債分だけで各15億ドル、その他の損失も加えれば最低20億ドルの損失を被る。司法当局が両社にも堤防決壊の責任を問えば、罰金などが加わる可能性もある。サマルコには、ドッセ川の魚救出など、環境破壊の影響を最小限に止める努力や、被災者の住居提供、町の復興、断水地域への給水車派遣などが求められている。マリアナ市長は11日、同市の被害額は最低1億レと公表した。
なお、ジウマ大統領は12日午前、同州知事と共に事故現場を上空から視察。午後からは同州ゴヴェルナドール・ヴァラダレス市を経て、エスピリトサント州コラチーナ市に向かい、今後の対策などについて話し合う。