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17日、PMDB党大会でのテメル氏(José Cruz/Agência Brasil)
17日、PMDB党大会でのテメル氏(José Cruz/Agência Brasil)

テメル=ジウマ罷免、連立離脱を否定=PMDBの党大会演説で=18年大統領選に独自候補=連邦政府には追い風か

 ミシェル・テメル副大統領は17日、民主運動党(PMDB)党大会の開会式の冒頭で演説し、ジウマ大統領(労働者党・PT)の罷免もPTとの連立解消も望まないことを表明したが、2018年の大統領選にはPMDBから独自候補を出馬させる意向を語った。18日付伯字紙が報じている。

 ブラジリアで行われたPMDB党大会の開会式では、ジウマ大統領の罷免やPMDBの連立離脱を叫ぶ声が目立った。テメル氏が演壇に立つとその声はひときわ高まり、会場には「テメル大統領!」「ロンペ(離脱しろ)、PMDB」の叫びがこだました。
 これに対しテメル氏は、「当面は(大統領職は)結構だから」とさえぎった。さらに「デマに振り回されてちっぽけな存在に成り下がりたくないなら、個人的な利益を国の利益より優先してはならない」と語り、ジウマ大統領の罷免による自身の昇格を望んでいない姿勢を示した。
 PMDBの連立与党離脱の可能性についても、一旦は「現実に直面している戦いから逃れることはできない」と言いながらも、「私たちは共に国の問題を解決していかなければならない。嫌悪を撒き散らすのはブラジル流のやり方ではない」と語って、副大統領として離脱否定の態度を示した。
 テメル氏は8月に「この国をまとめあげるリーダーが必要だ」と発言してジウマ大統領との仲が危うくなりかけた。また、ジョアキン・レヴィ財務相との確執なども噂されており、かねてから今月の党大会での言動が注目されていた。
 だがテメル氏は、「18年の大統領選にはPMDBから独自候補を擁立する」と、以前から囁かれていた同党の意向について改めて強調した。ただ、「もう政治家人生も終わりの時期なので」と続け、その候補は自分でないことを強調した。
 しかし、現在、アエシオ・ネーヴェス氏が高等選挙裁判所に「当選無効による任期剥奪」を訴えている、ジウマ氏とテメル氏による14年の大統領選のキャンペーンに関しては、弁護士を通じ、自身の会計がジウマ氏のものとは別のものであることを証明するための準備を行っている。
 テメル氏のこの姿勢が影響したか、同日行われた、連邦司法関係者の給与調整案に対するジウマ大統領の拒否権発動に関する下院での投票では、「拒否権を無効とする」への票が有効投票数の257票に6票足りない251票で、連邦政府が勝利した。これで2019年までに362億レアル分の政府の支出増が避けられ、政府の財政調整に大きなプラスになった。
 両院合同の予算委員会も同日、15年の基礎的財政収支が1199億レアルの赤字となることを承認した。この内の570億レアルは粉飾会計の清算分とされている。