サッカーのワールドカップ南米予選は18日に第4節を終えたが、ブラジル・セレソンは現時点で勝ち点7、得失点差3で3位につけている。
第4節終了時点での順位は以下のとおりだ。1位エクアドル、2位ウルグアイ、3位ブラジル、4位パラグアイ、5位チリ、6位アルゼンチン、7位コロンビア、8位ボリビア、9位ペルー、10位ベネズエラ。
セレソンはパラグアイやチリと同じ勝ち点だが、ベネズエラ戦とペルー戦で大勝したため、得失点差で有利となった。
全体で見るとエクアドルが4連勝で絶好調な反面、メッシを怪我で欠くアルゼンチン、初戦でセレソンに圧勝し、コパ・アメリカを制した勢いを感じさせるかと思いきや、ウルグアイに0―3で惨敗したチリが出遅れるという意外な結果にもなっている。
セレソンの場合は、昨年のW杯対ドイツ戦での1―7での屈辱的惨敗、コパ・アメリカでも準々決勝止まりとイメージ低下が続き、戦績を不安視されていたが、1節、2節でのネイマールの出場停止、敵地でのアルゼンチンとチリとの試合を含めて3位なら「御の字」といったところか。
実際のところ、3、4節に関しては、今後に向けてプラスの要素の方が大きかった。
収穫のひとつは、コパ・アメリカのときまでにはセレソンで本領が発揮されていなかった新戦力の台頭だ。特に大きいのはダグラス・コスタのフォワード定着だ。3節アルゼンチン戦、4節ペルー戦での計4得点はすべて、何らかの形で彼が得点に絡んだ。現在、ドイツのブンデスリーガでアシスト王となっているコスタがバイエルン・ミュンヘンでのチャンスメーカーぶりをセレソンでも示したのは、「ネイマール頼み」と言われてきたセレソン攻撃陣の強化につながっている。
また、これまで「当たり前」とされ、いじられてこなかったポジションに新戦力が加わったのも大きかった。12年のロンドン五輪以来、セレソンの司令塔はずっとオスカールだったが、1節、2節の絶不調で、3節、4節は先発から外れた。そのチャンスをルーカス・リマ(サントス)、レナト・アウグスト(コリンチャンス)の国内組を代表する司令塔が活かし、得点まで決めたことは、競争の活性化にもつながった。
また、これまではPSG勢が独占していたセンターバックも、ダヴィド・ルイスの出場停止で出場のチャンスを得たジル(コリンチャンス)が4節で好守を見せ、高い評価を受けた。
ゴールキーパーも、昨年のW杯以降はジェフェルソンが守護神役をつとめていたが、チリ戦での守備ミスのせいで、2節からは23歳のアリソン(インテルナシオナル)がレギュラーを奪取。以降3戦で先発の座を守り、試合ごとに評価を上げてきている。今ではイタリアの強豪ASローマが獲得に乗り出すところまで来ている。
ブラジルのメディアも、ひところまではW杯での惨敗時と大きく代わらないドゥンガ監督の布陣に欲求不満を覚えていたが、3節、4節に関しては「ノーヴォ・ドゥンガ」と称し、評価する声が目立っている。
5節・6節は来年の3月。ホームでのウルグアイ戦と敵地でのパラグアイ戦となる。3節、4節で得た感触をどこまで活かせるかに注目だ。
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