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すし講習会がブラジル初開催=安全なすしの普及を説く

風戸氏の握りに注目が集まった

風戸氏の握りに注目が集まった

 すしの正しい知識を広めることを目的に、「すし知識認定知識事業」がブラジル初開催された。サンパウロ市内大学で26日から3日間、講習会や認定試験が行われ、主催の全国すし商生活衛生同業組合連合会(AJSA)理事長の風戸正義氏が自ら講師として、約70人の職人や外食事業主らに熱弁をふるった。
 講習ではいかに安全、衛生的に調理できるかに重点が置かれた。サーモンやマグロといった代表的なネタを調理しながら、酢や塩を用いることで、生臭さを取り除けることを説明。含まれるバクテリアの除去にも有効で、その際の水洗いの重要性も説き、全て理由や物質名まで丁寧に解説された。
 シャリの握り方は「手に軽く酢を付け、なるべく手の温度を伝えずにする」「命があるように扱う」とし、受講者は食い入るように実演を見つめていた。また、海苔巻などの高等な技術にまで及んだ。
 風戸氏はブラジルでも欧州のように生食用の冷凍規制がかかることを危惧しており、「今回学んだことを周囲にも指導を」と終始訴えた。
 参加していたサンパウロ市の老舗「寿し清」の渡部カルロスさん(48、二世)は「当たり前にやっていることばかりだが、『何故それをやるのか』は知らないこともあった。勉強になる」と熱心に受講していた。
 27日には実践的に受講者も厨房に立って講義が行われた。最終日28日には、筆記による「認定所習得テスト」が実施され、38人が認定を受けた。
 今回は日本の農林水産省も後援しており、当地ではJBC出版(東海林正和社長)がAJSAのブラジル支部として運営協力した。