【既報関連】ミナス州マリアナ市で5日に発生した鉱滓ダムの堤防決壊事故後、ドッセ川流域で回収された魚の死骸は8トンに達した。エスピリトサント州(ES)を経て大西洋に流入し始めた鉱滓の影響は今後の観察が必要だが、決壊したダムにはVale社の鉱滓も混じっていたと24日付伯字紙が報じた。
Valeと豪州のBHPが共同出資するサマルコ社鉱山での事故の死者は8人、身元が未確認の遺体4体、行方不明者11人といった数字から見て、ブラジル鉱業界では史上最悪の事故だ。
決壊したフンドン・ダムには最低400億立方メートルの鉱滓があり、すぐ下のサンタレン・ダムから溢れた堆積物も含む鉱滓は、グアラショ・ド・ノルテ川を経てドッセ川に流入したが、カルモ川でも汚泥が5キロほど逆流した。鉱滓流入の影響は三つの川の流域と大西洋に及んでいる。
フンドン・ダムにはValeアレグリア鉱山の鉱滓も持ち込まれていたが、Valeは同ダムに運ばれた鉱滓は同鉱山からの鉱滓の5%と言うのみで、ダム決壊の責任に関しては無言のままだ。
大西洋への鉱滓流入は河口から9キロの所までと見られていたが、実際には23日の時点で既にその範囲を超えている。
イザベラ・テイシェイラ環境相は23日、ES州知事と共にドッセ川流域や海岸部を視察、「雨の時期が終わるまでは結果が見えない」とし、最低120日間の観察を要すとの見解を示した。
海岸部ではカニや海鳥などが泥を避けて移動しようとする様子も見られた。海岸部の動植物が大量に死ぬのは2~3日後とも言われるが、23日には既に、河口付近で回収された魚の死骸を砂浜に埋める姿も見られた。
鉱滓が流入した地域はマングローブの林やカニを含む魚介類が豊富な地域だが、ブラジル史上最悪の環境災害の全容解明にはかなりの時間が必要だ。