24日、連邦警察の第21次ラヴァ・ジャット作戦が行われ、「疑惑の人物」として浮上していたルーラ前大統領(労働者党・PT)の親友の牧畜企業家、ジョゼ・カルロス・ブンライ容疑者がブラジリアのホテルで逮捕された。24日付伯字紙サイトが報じている。
今回のLJでは25件の家宅捜査が行われたほか、6人が事情聴取で強制連行された。逮捕者はブンライ氏1人だ。強制連行された内の2人は同氏の息子のマウリシオ氏とギリェルメ氏だった。
ブンライ氏逮捕のきっかけは、LJで既に実刑判決を受けている民主運動党(PMDB)のロビイスト、フェルナンド・バイアーノ被告と、ペトロブラス(PB)国際部元役員のエドゥアルド・ムーザ被告らの証言だ。これらの証言の内容は10月中旬にブラジルメディアに流れ、大きなスキャンダルにもなっていた。
それによると、ブンライ容疑者はPBのプラットフォーム事業をまとめる件で立会い、自らも賄賂を受け取っていたと言われている。
中でも、2011年のPB子会社セッテ・ブラジルとの交渉に関するバイアーノ被告の証言は、かねてから大きな波紋を投げかけていた。それによるとブンライ氏は、エイケ・バチスタ氏の企業OSXを同事業に参加させることで、OSXから「手数料」となる賄賂を受け取ろうとしていた。だが、結果的に不参加となり、その手数料が入らなくなって焦ったブンライ氏がバイアーノ被告に「ルーラ氏の嫁の不動産の支払いに必要」と300万レアルを求め、バイアーノ氏が仕方なく200万レアルを工面したというものだった。
また、シャヒン銀行のサリム・シャヒン氏によると、同銀行は2004年、PBと16億レアルの契約が成立した見返りに、調整役に立ったブンライ氏に「PTへの1200万レアルの貸付」という形で贈賄を行った。2005年にはこの貸付返済のための融資という形で、さらに900万レアルが動いている。
ブンライ氏には、LJでの疑惑以外に、ゼロテス作戦での疑惑もある。それは自身の企業「サンフェルナンド・アスーカル・エ・アルコール」が52万3千レアルの債務不履行を理由に倒産寸前だったにもかかわらず、同グループ内の息子名義の企業にBNDESから1億150万レアルの融資を受けていたことだ。連警職員は24日、BNDESでも書類押収などを行っている。
ブンライ氏は同件で下院のBNDES問題の議会調査委員会(CPI)から召喚されて、ブラジリアに来ていた。だが、供述当日の朝、LJに関する現役議員以外の関係者の審理を管轄するパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事から許可が出て、滞在先のホテルで逮捕され、同日中にクリチバに移送された。