先住民や環境団体からの強い反対のある中、国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)は24日、パラー州に建設中のベロ・モンテ水力発電所にダムへの注水許可を出した。25日付伯字紙が報じている。
Ibamaは2カ月前、改善命令が出ていた項目中12項目が不履行として、同発電所への許可を見合わせた。だが、マリレーネ・ラモス院長はこの日、「これ以上の操業の遅れはブラジルに支障を来たす」として、ノルテ・エネルジアにダムへの注水許可を出した。
Ibamaは、実行された改善命令の10%は効果的に機能していないことを認めたものの、改善命令は全て履行されたとの理由でダムを満たす許可を出した。水力発電は温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーの一つで、計画では同発電所は今年の2月から操業開始のはずだった。
今回の許可で第一貯水場への水の引き込みが始まり、約50日で満水となる予定だ。ノルテ・エネルジアの完全操業には41の条件を満たす必要があり、これまでに少なくとも四つを満たしている。順調に行けば16年の早い時期の操業開始の見込みだが、同発電所の操業までに移動が必要な家族も400世帯残っている。連邦検察庁や社会環境研究所(ISA)などがまだ、同発電所の手続きの不正を追求する意向でもあり、残りの許可取得と完全操業までには、依然として多くの問題を抱えている状態だ。
自然環境破壊などを恐れる先住民や環境運動家の反対も根強く、他の用件でブラジリアに来ていて24日のIbamaの発表の同席した先住民約50人は、「今回も私たちは何も聞かされていない」「ブラジル発見から現在まで何も得ていない」と憤りを露にした。
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