ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 現職のデウシジオ上議逮捕=LJの捜査妨害が発覚=セルヴェローに口止め強要=PTには2日続きの激震
25日に逮捕されたデウシジオ氏(Jane de Araújo/Agência Senado)
25日に逮捕されたデウシジオ氏(Jane de Araújo/Agência Senado)

現職のデウシジオ上議逮捕=LJの捜査妨害が発覚=セルヴェローに口止め強要=PTには2日続きの激震

 連邦警察は25日朝、ブラジリアで政府の上院リーダー、デウシジオ・アマラル容疑者(労働者党・PT)を、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)の捜査妨害で逮捕した。連邦検察庁によれば、同上議はペトロブラス(PB)元国際部長のネストル・セルヴェロー被告に対し、報奨付供述に応じないよう強要していたという。25日付伯字紙サイトが報じている。

 デウシジオ容疑者逮捕の決め手となったのは、セルヴェロー氏の息子が録音した、デウシジオ氏とセルヴェロー氏との会話の内容だった。
 その会話の中でデウシジオ氏はセルヴェロー被告に、「毎月5万レアル払うから報奨付証言には応じるな」「応じても自分の名前は出すな」と命じた。また、最高裁判事らに働きかけて人身保護令の適用を求めることなどを約束し、国外逃亡の提案までしている。
 また、セルヴェロー被告の口からは、デウシジオ氏がペトロブラスのパサデナ製油所の買収に伴う贈収賄計画に参加したことも語られていた。
 LJでのセルヴェロー被告はPB内部の重要被告だが、これまで報奨付供述に応じず、動向が注目されていた。
 デウシジオ氏の名前は、PBのもうひとりの重要被告である元供給部長のパウロ・ロベルト・コスタ被告の報奨付証言の中にも出てくる。それによると、セルヴェロー被告を国際部長に推薦したのがデウシジオ氏で、同氏はPTのみならず、民主運動党(PMDB)ともつながっている人物だと語っていた。
 デウシジオ氏はイタマル政権の1994年3月~12月に鉱山動力局長官と同相をつとめ、1999年~2001年はPBのガス燃料部部長もつとめた。PB時代は民主社会党(PSDB)のカルドーゾ政権で、当時も連立与党だったPMDB上議のジャデル・バルバーリョ氏の推薦を受けての人事だ。セルヴェロー被告は当時、デウシジオ氏直属の部下で、コスタ被告はロジスティック部の一員としてデウシジオ氏と働いていた。
 また、セルヴェロー氏とデウシジオ氏との会談に同席し、問題の金額を支払っていたとされるBTGパクチュアル銀行頭取のアンドレ・エステヴェス氏も、リオで逮捕された。同銀行はPB子会社セッテ・ブラジルの取引銀行でもある。
 今回のデウシジオ氏逮捕は、LJはもちろん、ブラジル史上でも初の現職上院議員逮捕となった。現職議員らは連邦最高裁の管轄となるため、LJに関する審理を担当するパラナ州連邦地裁ではこれまで、企業家や元議員などだけを扱っていたが、今回は最高裁のテオリ・ザヴァスキ判事の許可が出ての逮捕となった。
 PTにとっては、前日のルーラ前大統領の親友のジョゼ・カルロス・ブンライ容疑者逮捕に続く激震となった。