中国系企業の助けにより、財政難に苦しむ連邦政府は170億レアルに及ぶ副収入を確保と26日付伯字紙が報じた。25日に行われた国内29カ所の水力発電所の操業権の公開入札で、中国三峡集団公司(CTG)がイーリャ・ソルテイラとジュピアーの両発電所の操業権を約138億レで落札したからだ。
両発電所はサンパウロ州と南麻州の境にあり、サンパウロ電力会社(Cesp)に属していた。これでCTG関連の水力発電所の総発電量は6千メガワットとなり、ブラジル第2の電力会社となった。
「我々CTGが中国に持っているものと同じ巨大発電所操業の哲学をブラジルにも見出した。それがブラジルへの投資を決めた理由だ」とジョアン・メイレレス同社副社長は述べた。
五つあった競売枠のうち、ゴイアス州の小さな発電所だけは複数の入札があり、Celg社が落札した。Cemig社、Copel社、Celesc社はそれぞれミナス州、パラナ州、サンタカタリーナ州での操業継続を守った。
国家電力庁(Aneel)によれば、落札企業が正式契約を交わす期限は12月30日で、全ての発電所の操業期間は30年だとしている。
政府は当初、170億レの内110億レを今年中に徴収するつもりだったが、「今年中に契約書類全てがAneelに届くとは考えにくく、170億レは来年度の収入になる」とエドゥアルド・ブラガ鉱動相は語った。
鉱動省経済補佐官のマリステラ・ペレイラ氏は「今回競売された発電所の操業権は、既に契約切れか今後契約が切れていく。入札規定で設定した底値は現行契約の金額が基準となっており、(底値通りで落札された発電所があっても)電気料金値上がりは起きない」と語っている。
しかし、エネルギーコンサルタント会社チーモス社社長のジョアン・カルロス・デ・オリベイラ・メロ氏は、競売にかけられた発電所の生産電力はブラジル全体の6%にあたり、入札でメガワット/時当たりの平均価格が上がった分、これらの発電所からの電力を受け取る消費者には影響が出るとしている。
政府は全ての発電所が落札された今回の入札は成功としているが、底値の金額と、入札規定の発表から入札までの期間が短かったために入札希望者が少なく、競売にならなかったことを問題視する専門家もいる。