国内の自動車メーカーの生産ライン停止が続く中、集団休暇などを導入していない数少ないメーカーの一つのトヨタが、サンパウロ州インダイアツーバ市の工場の生産ラインを25日午後から27日まで停止させる事を決めた。
とはいえ、これは売れ行き不振と過剰在庫による生産調整ではなく、座席や天井部分に使う部品を供給している、同州カサパバ市のインテルトゥリン工場従業員が12日からストに入ったために部品供給が止まり、生産が継続できなくなったためだ。
インテルトゥリンの従業員715人は12%の給与調整と、所属組合の変更を求めている。同社従業員は現在、現地の繊維業界の組合に所属しているが、サンジョゼ・ドス・カンポス市の金属労組への移籍を希望しているという。
インダイアツーバ工場で製造中のカローラは今年も昨年比11・4%の売り上げ増を記録していたが、部品不足で1日320台の生産が止まる。
トヨタ全体での10月までの販売台数は11万8600台で、昨年同期比1・6%減だが、自動車業界全体の販売台数は同時期、23・3%に及んでいる。
カンピーナス地方の金属労組によれば、トヨタは現在も1日平均2時間の残業を行っており、土曜日に操業する事さえあるという。なお、インテルトゥリンのストでソロカバ工場の生産ラインに影響が出ているか否かは発表されていない。
自動車業界では生産調整のための集団休暇やレイオフが頻繁に繰り返されており、ジェネラル・モーターズ(GM)は12月1日から5カ月間、リオ・グランデ・ド・スル州グラバタイー工場の従業員825人を対象にレイオフを実施する。同社ではサンパウロ州ABC地区の工場でも同様の措置を導入済みだ。また、同社の部品を供給している下請け企業でもレイオフが実施される。
同社では既に6600人がレイオフに入っており、2800人が集団休暇中だ。また、就業を続けている3万5600人も、政府が導入した雇用保護計画(PPE)による就業時間短縮と給与減額という措置が適用されている。レイオフの対象者は夜間操業に携わっていたが、3交代制中止で自宅待機となった。
1980~90年代は当たり前だった3交代制は減る一方で、フォード社も24日、バイア州カマサリ工場では来年3月から3交代制を停止すると発表した。現時点で3交代制停止を発表していないのは、サンパウロ州ピラシカバ市にある現代社の工場のみだ。(25、26日付エスタード紙より)