【既報関連】ミナス州マリアナ市で5日に起きたサマルコ社鉱山の鉱滓ダム決壊事故で、国連調査員が25日に政府や企業の対応の遅れを批判した。被災者への救済措置も遅れる中、サマルコの資産凍結命令で、銀行口座には負担合意額の3%しかないという驚くべき事実も判明と26、27日付伯字紙、各紙サイトが報じている。
国連の調査員2人は、ダム決壊で流出した鉱滓や泥水が有害である事が3週間経ってやっと明らかにされた事などを問題視し、連邦政府や企業の対応が不十分だと批判する一方、鉱滓がバイア州のアブロリョス海洋国立公園にも至る可能性がある事などを指摘した。
イザベラ・テイシェイラ環境相はこれに対し、雨期の間はドッセ川を継続監視する事や、エスピリトサント州沖に26日に着いた海軍調査船が水質汚濁の実態なども調査する事などを明らかにした上、時間がかかるが、ドッセ川の回復は可能との見解を表明した。
一方、26日には、被災者救済や環境修復のための当面の経費として10億レ拠出に合意したはずのサマルコが「金と共に姿を消した」との報道が流れた。裁判所は3億レの資産凍結を命じたのに口座残額は800万レのみで、不足分は中銀からの融資で補われた。裁判所によれば、同社の年商は80億レ、その他にも年30億レを取得しており、14年末の口座座高は20億レだった。
事故から3週間を経ても、泥流で住居を失った296世帯全てへの財政支援は始まっていない。鉱滓が海ガメの繁殖地に届いた、ドッセ川からの取水を再開したがカルキ臭が強い、子供を入浴させたら肌に発疹が出たなどの報告も出ている。
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