ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | BTGPエステベス氏逮捕=ブラジル金融界に波紋続々と=火消しに必死の同社幹部

BTGPエステベス氏逮捕=ブラジル金融界に波紋続々と=火消しに必死の同社幹部

 25日午前、政府上院リーダー、デウシジオ・アマラウ容疑者(労働者党・PT)と共に、中南米最大の投資銀行BTGパクチュアル(BTGP)のCEO、アンドレ・エステベス氏が逮捕された事で、経済界に大きな波紋が広がっている様子を26、27日付伯字紙が報じている。
 同氏逮捕以降、26日の取引終了までにBTGグループの株価は23・28%下落した。投資情報分析会社エコノマチカ社(E社)の試算では、2日間での同グループの損失額は67億レアルに上る。BTGPは他の企業と違い、〃BTGP株〃は存在せず、関連会社の株式を束ねた〃ユニット(集合体)〃として上場されている。サンパウロ証券市場(Bovespa)への上場分も、グループ全体が持つ56億の株式の一部にあたる8億800万のみだ。
 Bovespaに現れている株価から概算すると、逮捕前日の24日、BTGグループ全体の時価総額は290億レアルだったと推定されるが、26日の時価総額は222億レアル程度になったと見られている。
 25日は他の多くの有力銀行の株価も下げたが、翌26日は持ち直した。しかし25日の損失を埋めるには至っておらず、イタウ銀行は25、26日で時価総額が54億レアル減り、ブラデスコ、バンコ・ド・ブラジルもそれぞれ29億、20億程度目減りした。
 だが、他行の株価が26日に多少持ち直したのとは対照に、BTG株価は25日に一時40%、終値でも21%暴落した後、26日も2・87%と続落した。
 ゴールドマン・サックス証券は「BTGPの弱点はCEOへの依存度が強すぎる事で、彼の不在が経営を傾かせる可能性があると以前から指摘してきた」との文書を発表した。
 ペルシオ・アリダBTGP社長代行は26日、サンパウロ市で開かれたイベントで「我が社は社長逮捕という難局を必ず乗り越える。一寸の疑いもない」と語り、顧客の動揺を抑えるのに必死だった。ゴールドマン・サックス証券は、CEO逮捕の悪影響がどれほどかを測るには時間が必要とし、投資家達にBTGP社関連株への投資には慎重になるように勧めている。