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議会の席でのロマーリオ氏(Lula Marques/Agência PT)
議会の席でのロマーリオ氏(Lula Marques/Agência PT)

ロマーリオに疑惑が飛び火=ブラジル揺るがす大スキャンダルの余波で

 サッカー・スタジアムから政界に舞台を移して活躍している、現在、上院議員のロマーリオ氏だが、ブラジルを揺るがす大型スキャンダルに巻き込まれつつある。
 25日、上院議員のデウシジオ・アマラル容疑者が、ブラジルの上院議員史上初となる現行犯逮捕を受けた。これは同容疑者が、昨年からブラジルを揺るがす大型汚職事件「ラヴァ・ジャット作戦」で巨額収賄の罪に問われた、石油公社ペトロブラスの元国際部長、ネストル・セルヴェロー被告に関し、その息子のベルナルド氏と極秘会議を行った際、「お父さんを釈放して国外に逃亡させる」「私のことを黙っておいたら、毎月賄賂を払う」などと語っていたことがベルナルド氏によって録音され、暴露されたためだ。現在、ブラジルのニュースはこれ一色の状態になっている。
 だが、その録音で、本題とは関係のないところでロマーリオ氏への疑惑が浮上した。同席したセルヴェロー被告の弁護士が、「ロマーリオはスイスに秘密口座を持っているが、今、『預金を下ろさないと逮捕される』と注意を受けているところだ」と語ったことが暴露されてしまったからだ。
 ロマーリオ氏がスイスに(収賄などが疑われる)秘密口座を持っているという噂は流れていたが、同氏はこれまできっぱりと否定していた。
 ところが、27日になって、ロマーリオ氏は「ヨーロッパでプレーしていた80年代末から90年代初頭にスイスのBSI銀行に口座は持っていたが、今は持っていない」と語ったのだ。同氏は7月に、「同銀行と関係を持ったことはない」と語っていた。
 ロマーリオ氏を巡る疑惑はこれだけではない。この極秘会談が行われた11月4日、デウシジオ氏はその前にロマーリオ氏と面会していた事実も明るみになった。それはこの会議の録音でも語られ、後に一緒に写った写真も出てきている。
 これは、デウシジオ氏がリオ市長のエドゥアルド・パエス氏に所用で会った際、そこにロマーリオ氏が居合わせた、というものだった。ロマーリオ氏とパエス氏はそこで、来年のリオ市長選挙でパエス氏の後任候補を推薦する約束を取り付けていたという。
 今のところ、その約束で不正などが目撃されたという話はない。ただ、デウシジオ氏とパエス市長の間にも疑惑が浮上している。
 パエス氏の兄のギリェルメ氏は、デウシジオ氏と収賄計画を行おうとした疑惑で同時に逮捕されたアンドレ・エステヴェス容疑者の所有するBTGパクトゥアル銀行の共同経営者(ソーシオ)のひとりだ。BTGパクトゥアルは前述のBSI銀行を14年に買収している。
 これまで、ブラジル・サッカー連盟の不正を糾弾するなど、政治家として良い印象をもたれていたロマーリオだが、今後の展開次第では立場を危うくする可能性もある。(27日付グローボ紙サイトより)