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COP21の総会で演説するジウマ大統領(Roberto Stuckert Filho/PR)
COP21の総会で演説するジウマ大統領(Roberto Stuckert Filho/PR)

COP21=ジウマブラジルの成果を強調=途上国の規制に配慮求め=永続的な取り組みも主張

 11月30日にパリで開幕した国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)は、世界から約150カ国の首脳が集ったと1日付伯字各紙が報じた。同会議で150カ国の首脳が一堂に会するのは歴史上初のことだ。世界規模の温暖化に対抗するため、より現実的な対策がもとめられる。
 ジウマ大統領は30日の開会式で、北東伯、南東伯の干ばつ、南部の大雨の例を挙げ、ブラジルは既に気候変動の被害を経験しているとし、「COP21で目指す合意は、参加国のアイデアをまとめただけのものではなく、世界各国が今後進んでいくべき道筋、守っていくべき約束事でなくてはいけない」と述べた。
 ジウマ大統領はまた、先進国と発展途上国で規制に差を設けるべきという、従来からのブラジルの立場も擁護し「全ての国が基本的な責任を負う事は大原則だが、今後経済発展を目指す発展途上国に道筋を付ける意味で、若干の配慮も設けられるべき」と語った。
 同大統領は続けて、ブラジルが独自に公約した温暖化防止策の主要点と、アマゾンの森林伐採を8割減少させたことに触れ、「ブラジルの独自公約(INDC)は、2030年までに対05年比の温室効果ガス排出量を43%削減すものだ。これは本当に野心的な取り組みで、地球温暖化防止のために(発展途上国である)ブラジルに課された責任を果たして余りある内容だ」と自画自賛した。
 しかしこの言葉も、NGOの環境保護団体には好意的には受け止められなかった。「ジウマ大統領は間違っている。ブラジルの目標は確かに他の多くの国よりは大きいが、地球の平均気温の上昇を2度以下に抑えるためには不十分だ」とブラジルNGOの「気候オブザーバー」事務局長のカルロス・リッテル氏は語った。
 大統領はその後に開かれたブラジル報道陣との会見で、今回のパリ会議での合意は5年おきの見直しを含むべきとの立場を表明し、「5年おきに見直すことで、長期にわたる永続的な取り組みが可能になる」と語った。