地理統計が1日に発表した15年第3四半期の国内総生産(GDP)は、第3四半期としては96年の統計開始以来最低の前期比1・7%のマイナス成長となった。今年の累積では3・2%、昨年同期比では4・5%のマイナスとなっている。1日付伯字紙サイトが報じている。
15年に入ってからのGDPは第1四半期が前期比0・8%減、第2四半期が同2・1%減となり、リセッション(景気後退)に入ったが、第3四半期も前期比1・7%減となったことで2期連続での景気後退が明らかになった。3四半期連続でマイナスを記録したのは4期連続だった1990年以来だ。
マイナス成長へと足を引っ張った要因を見てみると、まず、今回も投資の落ち方が大きく、4%減を記録した。これを1年前と比較した場合、15%の減少にもなる。この分野はこれで9四半期連続の減少となった。
投資減の最大要因はラヴァ・ジャット作戦の影響で、ペトロブラスの投資が落ちた上、多くの建築業者が汚職に関与したとして差し止めとなっている事業も多いためだ。
農業生産は収量が最も多い大豆の収穫期から外れることもあって、2・4%減だった。減産が目立ったのは綿花、コーヒー、サトウキビだったという。この部門は第1四半期が3・4%のプラス、第2四半期が3・5%のマイナスで、今年の累積は2・5%減となっている。経済学者のアマリリス・ロマノさんは、「年間では最終的にプラスに転じるだろう」と第4四半期の巻き返しを予想している。
また、工業生産も、レアル安の恩恵を受けたにも関わらず、1・3%減となった。足を引っ張ったのは製造業(3・1%減)、建築業(0・5%減)などだ。鉱業は昨年同期比4・2%増(前期比は0・2%減)だったが、第4四半期はサマルコ社の操業停止などの影響が出る見込みだ。
家庭支出は1・5%減で3期連続のマイナス、1年間では4・5%のマイナスだ。同部門は長い間、ブラジルの経済を支えてくれたが、インフレや高金利、失業率増加など、家計を苦しめる要因が多く、支出が抑えられている。第1四半期に0・9%減だったサービスは、第2、第3四半期に1・0%減を記録した。
第3四半期に上がった唯一の指標は政府支出の0・3%のみだが、それでも今年は0・4%のマイナスだ。
第3四半期のGDPを発表した国は41カ国だが、前期比でのブラジルの成長率はその中でも最悪で、2番目に落ち込みが大きいギリシャ(0・9%減)の2倍近い。また、3期連続のマイナス成長はブラジルだけだ。
中央銀行が行った市場調査(フォーカス)によると、前年同期比でのGDP減少傾向は、少なくとも16年第4四半期まで続くと見られている。
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