11月26日、ブラジル映画批評家協会(Abraccine)が、「映画誕生120周年」を記念し、ブラジル映画の歴代ベスト100のリストを発表した。
それによると、上位10作はこのようになった。
1位リミテ(1931年、監督・マリオ・ペイショット)、2位黒い神と白い悪魔(1964年、グラウベル・ロシャ)3位乾いた人生(1963年、ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス)、4位カブラ・マルカード・パラ・モレール(1984年、エドゥアルド・コウチーニョ)、5位狂乱の大地(1967年、グラウベル・ロシャ)、6位オ・バンジード・ダ・ルス・ヴェルメーリャ(1968年、ロジェリオ・スカンゼルラ)7位サンパウロS/A(1965年、ルイス・セルジオ・ペルソン)、8位シティ・オブ・ゴッド(2002年、フェルナンド・メイレレス)、9位サンタバルバラの誓い(1962年、アンセルモ・ドゥアルテ)、10位マクナイーマ(1969年、ジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデ)
1位に輝いたのは現在、「南米映画史最初の傑作映画」として、ブラジル国内より欧米の映画マニアの間で急速に評価の高まっている、1931年のマリオ・ペイショット監督の伝説の映画「リミテ」だ。この映画はつい先日、サンパウロ国際映画祭で特別に記念上映が行われた。
また、上位10傑を占めたのは、ブラジル映画界で意欲的な実験が進められた「シネマ・ノーヴォ」と、その発展系ともいえる「シネマ・マルジナル」の作品だ。「ブラジル映画最大の巨匠」とも呼ばれるグラウベル・ロシャの作品は10位内に2作、100位内に5作入った。
ブラジルの場合、1960年代末から70年代にかけては軍事政権による検閲が厳しくなり、90年代初頭には財政破綻から映画公社が解体するなどの波乱万丈の歴史があったため、どうしても黄金期の60年代を選ぶ傾向があるようだ。
近年のブラジル映画を印象付ける2002年の国際的大ヒット作でアカデミー賞監督賞にもノミネートされた「シティ・オブ・ゴッド」は8位。主演女優のフェルナンダ・モンテネグロが同じくオスカーにノミネートされた「セントラル・ステーション」は11位。監督のジョゼ・パジーリャと主演のヴァギネル・モウラがハリウッド進出するきっかけとなった「エリート・スクワッド」のシリーズは、第1弾が30位、第2弾が35位だった。
この、全ての順位の完全なリストは以下のリンクで見ることが可能だ。
http://cultura.estadao.com.br/noticias/cinema,criticos-elegem-limite-como-o-melhor-filme-brasileiro-de-todos-os-tempos,1802696(11月26日付エスタード紙サイトなどより)