リオデジャネイロ市で11月28日に起きた、軍警4人が青少年5人の乗る車に一斉射撃を加えて全員を殺害、証拠隠滅も図った事件で、新たな事実が判明した。
2日に行われた被害車両と警察車両の再鑑識によると、被害者達が乗っていた車には63発分の弾痕が残っており、車体に当たらなかった分も含めれば、警官達が発砲した数は計111発に上るというのだ。111発中の81発は小銃によるもので、30発は拳銃によるものだという。
逮捕された軍警の一人は、貨物トラックが通常のルートから外れたから賊に襲撃された可能性があるとの通報を受け、現場に急行するところで、トラックの積荷が盗まれ、バイク1台と乗用車1台が発砲しながら通り過ぎたと供述した。
問題のトラックは土曜日夜、ノヴァ・イグアスのアルコール飲料工場を出発したが、10台で出発した内の1台が予定のルートから外れた。こういう事態が起きた時は、異常が確認された時点でエンジンが停まるよう設定されていたという。軍警の一人は運送会社の警備責任者だった。
一方、目撃証言者の一人のバイク運転手は、トラックは見ていないと供述。青少年5人は幼馴染で、16歳の少年が初めての給与をもらったのを祝うために遊びに出た後、仲間の家に集まったが、軽食をとりたくて再び外に出かけて、被害に遭った。
被害者の一人の母は、軍警の一人が手袋をはめた上で、被害者の一人の体に触れた後、車の反対側に回って鍵を取ると、トランクを開けて銃をその中に入れたのを見たという。その女性は「警官が自分を車に近づかせないようにしたのは(子供達が銃を持っていたと)虚偽の事実を作り上げるためだが、自分は全部見た」と主張している。
捜査を担当している警官は、軍警達が使っていた車両にはカメラがついていないが、GPSの情報などの提出を求めるという。今回逮捕された軍警達が所属する大隊は、同市でも警官による死者が最も多く出ているとされ、この事件直後に大隊長交代が発表された。
被害者の一人で25歳の青年には2歳の息子がおり、幼い孫を育てる事になった青年の母は、今回の事件で受けた心の痛手が癒されるには時間がかかるとした上、「こんな事件が余りにも頻繁に繰り返されるから、ブラジル人である事への誇りはとっくの昔に失せてしまった」と嘆いた。(2日付G1サイトより)
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