今年のサンパウロ州サッカー界では、全国選手権はコリンチャンス、ブラジル杯はパルメイラス、サンパウロ州選手権はサントスFCと、〃不仲の隣人〃同士が優勝を分けあった。
特に〃相思相嫌〃のコリンチャンスとパルメイラス。優勝回数を巡っても、口喧嘩はやむ事がない。
「コリンチャンス、6度目の全国選手権制覇おめでとう。俺達パルメイラスは8回だけどな」
「お前らの8回の内4回は、2010年になって、大昔の大会を『あれは正式な全国制覇だったことにする』ってFAXをブラジルサッカー連盟(CBF)から貰っただけだろ。俺達はFAXで勝ち取ったタイトルも、『みなし』タイトルもないぞ。全部試合に勝って勝ち取ったぞ」と、口角泡を飛ばしあっている。
8回優勝と言われるパルメイラスだが、その内4回は、1960年と67年のタッサ・ブラジルと、67年、69年のロベルト・ゴメス・ペドロザ杯の優勝を2010年になって、「全国優勝とみなす」とCBFからの通知を受けたものだ。それを除くと、優勝回数は4回となる。
「FAXで勝ち取った『みなし』優勝なんて価値がない。だいたい、どうやって年に2回(67年)も優勝できるんだ?」とコリンチャンスファンはパルメイラスにケチを付ける。
パルメイラスファンも黙ってはいない。「お前らは世界制覇2回って言うが、2000年の大会は開催国枠で裏口出場したものだろ。どうやって南米大陸制覇1回で2回も世界一になれるんだ」とやり返す。
パルメイラス同様、ペレを擁してタッサ・ブラジルを5連覇(1961~65年)、68年のロベルト・ゴメス・ペドロザ杯も含めて、全国制覇回数8回と称するサントスFCも、パルメイラスとタッグを組んでコリンチャンスを口撃か。
意地の張り合いは際限がないが、パルメイラスのブラジル杯制覇翌日のフォーリャ紙は、
パルメイラス、全国選手権8回、ブラジル杯3回、
サントスFC、全国選手権8回、ブラジル杯1回、
コリンチャンス全国選手権6回、ブラジル杯3回
と表記していた。
ライバル関係がスパイスになれば、サッカーライフもより楽しめる。6日には全国選手権も最終節を向かえ、来シーズンまで短いオフがやってくる。(規)
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