ブラジル国家電気通信庁(Anatel)の発表によると、今年5月から10月までの5カ月間で1千万以上の携帯電話回線がキャンセルされたと9日付エスタード紙が報じた。5月には2億8420万回線あったが、10月には2億7300万回線となり、3%が解約された。
05年以降、ブラジルで携帯電話回線の減少が起きたのは、06年6月のみだった。
Claro、Oi、Tim、Vivoの主要通信4社はそれぞれ、250万、130万、330万、360万回線を失った。州別に見ると、回線の減少はサンパウロ州が最も多く、180万回線が解約された。
専門家によると、回線減少の主要因は消費者の行動が変化した事だという。ワッツアップという、無料でメッセージを送受信できたり、録音したボイスメッセージを送れたりするアプリケーションの普及によって、消費者が電話をかけることが少なくなったのだ。
「通信アプリのせいで、ブラジル人は電話をかけなくなった」とコンサルタント会社テレコ社長のエドゥアルド・トゥーデ氏は言い、Oi社小売部長のエドゥアルド・ウィニッキ氏も「通信アプリのせいで、通信会社の別に差がなくなった」と口を揃える。
トゥージ氏によれば、通信アプリのせいで、一つの携帯電話に複数のSIMカードを挿して使う必要が減ったという。電話をかける相手によって使う回線を使い分け、同じ通信会社を使うようにする事で通話料を安く上げるという、ブラジルでは一般的だった方法が廃れ始めたのだ。
Tim社とOi社はそれぞれ、異なる通信会社間での通話料を同じ通信会社間での通話料と等しくする事を発表した。
携帯電話回線の減少は、通話料の徴収額よりインターネット通信による収入額が増えるという変化ももたらしている。テレコによれば、15年上半期は、インターネット通信による収入が336億レアル、通話料金が320億レアルだった。
「現時点での各通信会社の主な収益源は通話料だが、1年もすれば状況は逆転する」とトゥージ氏は語った。(9日付エスタード紙より)
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