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10日の政治倫理委員会での喧嘩(Luis Macedo/Câmara dos Deputados)
10日の政治倫理委員会での喧嘩(Luis Macedo/Câmara dos Deputados)

下院倫理委員会=繰り返される投票延期=副議長が報告官交代命ず=委員長らは強い不快感=連日にわたり荒れ模様の会議

 エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党)と同議長の一派は9日、下院の倫理委員会で最高裁から否定された報告官の交代を強引に行い、クーニャ氏自身の議員権剥奪の審議継続に関する投票を再度延期した。だが、このやり方は委員会で強い反発を招いている。10日付伯字紙が報じている。

 倫理委員会で延期が繰り返されているのは、ラヴァ・ジャット作戦に関連する疑惑の秘密口座の件で、クーニャ議長が議会内で偽証した責任を問い、議員権を剥奪するか否かの審議だ。
 同委員会では「審議継続」の声が圧倒的にリードしているが、2日に労働者党(PT)の委員が「審議継続」に票を入れると表明した後、クーニャ議長がその報復とばかりにジウマ大統領(PT)の罷免請求を受理、下院での罷免審議の手続きを進めている。
 それ以来、倫理委員会での投票は毎回延期されている。クーニャ議長はこの間、「審議継続」を主張するファウスト・ピナト下議を倫理委員会の報告官役から降ろすことを最高裁に求めたが、それは却下されていた。
 しかし9日、自らもラヴァ・ジャットで疑惑をかけられているクーニャ派の下院副議長のヴァルジミール・マラニョン下議が、ピナト氏の報告官役交代を強行した。
 倫理委員会のジョゼ・カルロス・アラウージョ委員長(社会民主党・PSD)は「このような職権濫用は調査を妨害するものでクーデター的だ」と批判したが、クーニャ氏支持の下議らは「クーデターとは任期を剥奪することだ」などの罵声を返し、委員会は大喧嘩の状態となった。
 アラウージョ委員長は後任報告官にゼー・ジェラウド下議(PT)を指名したが、クーニャ派がこれを却下。結局、くじによりマルコス・ロジェリオ下議(民主労働党・PDT)が選ばれた。ロジェリオ氏も「審議継続」を主張している。
 社会主義自由党(PSOL)と持続ネットワーク(Rede)は同日、連邦検察庁のロドリゴ・ジャノー長官に、倫理委員会で職権を濫用して自身の議員権を死守しようとしているとして、クーニャ議長を辞任させるよう訴えた。クーニャ氏はその直後、最高裁に自身の下院議長の座を保障する請求を出したが、その請求が着く直前に、報告官の交代が行われた。
 下院倫理委員会は10日も、ゼー・ジェラウド下議とクーニャ派のウェリントン・ロベルト下議(共和党・PR)が殴り合いの喧嘩を行うなど、引き続き荒れ模様となったが、新しい報告官が15日に意見書を提出すると明言。これにより、審議継続を問う投票は7度連続で延期された。