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これは一体、本当なの?=ジカウイルスの「噂」出回る

 赤ちゃんの小頭症を引き起こす原因になるとして、現在ブラジル国内で恐れられているジカウイルス(ジカ熱)だが、それに伴い、ネット上を中心に、根拠のない噂も流れはじめている。
 ジカウイルスに伴うと見られる小頭症は現在、北東部で急増しており、サンパウロ州やリオデジャネイロ州のある南東部、首都ブラジリアがある中西部でも症例が報告されている。とりわけ神経質になっているのは妊婦たちで、妊娠期間は長いため、かなりの恐怖になっている。
 そんな中、ある種のパニック状態をあおるかのように、ネット上でジカウイルスに関する、根拠に乏しい噂が流れ始めている。
 その例の一つは、「今回の北東部での小頭症は、そもそもは有効期限の過ぎたハシカ・ワクチンを妊婦に接種したことで広がった」と説明するビデオだが、ブラジルの場合、はしかは絶滅しており、妊婦へのワクチン注射は行われていない。
 「アフリカでは何年も前からジカウイルスが存在するが、アフリカでは今回のような小頭症の流行は起こっていない」というメッセージも流れているが、これに関しては何の証拠もない。
 また、「ジカウイルスは、7歳までの子供や高齢者に神経学的な変異をもたらす」というものだが、これも科学的な証明は一切行われていない。ただ、年齢を問わず、ジカウイルスがギラン・バレー症候群の原因になりうるという説は実際に存在する。
 「ジカウイルスは母乳からも感染する」という説については、可能性は否定できないが、科学的には実証されていない。
 「デング熱にかかった人はジカウイルスには感染しない」という説は、別々のウイルスだから誤りで、その反対に、ジカウイルスにかかった人が同じ蚊が媒介するデング熱やチクングニアに感染する可能性も十分ありうる。(11日付アゴラ紙より)